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外国子会社同士の吸収合併は適格合併に該当するか

 外国子会社同士の吸収合併は日本の税法上の適格合併に該当するのか-。経済取引の国際化が進む中、中小企業でも直面し得るこの問題にこのほど国税庁が回答した。

 これは、納税者からの事前照会に対する文書回答事例を、国税庁が「英国子会社がオランダ法人と行う合併の取扱いについて」と題して公表したもの。照会者であるA社の英国子会社B社と、オランダ子会社C社が合併する場合、法人税法上、適格合併に該当するかを親会社であるA社が大阪国税局に問い合わせたものだ。具体的な事実関係は下記の通り。 

 (1)A社がオランダC社を設立する。(2)C社を合併法人、B社を被合併法人とする合併を行う。(3)本件合併に伴い、B社の株主であるA社に対してはC社株式以外の資産は交付されない。(4)本件合併により、B社の合併直前の資産及び負債の全てをC社が引き継ぐ。(5)A社は本件合併後においてC社の発行済株式の全てを継続して保有する見込みである。(6)本件合併は、EU域内の異なる国に所在する会社間での合併を司る欧州議会及び欧州理事会2005/56EC指令を受けた現地国法令である英国及びオランダの各国内実施法を準拠法として行われる。

 なお、合併期日は、英国がEUからの離脱を予定している2019年3月29日よりも前になる予定。

 本合併は英国とオランダに所在する法人間で行われるため、日本の法人税法上の合併に該当するのか疑問が生じるが、法人税法上の合併は日本の会社法を準拠法として行われる合併に限定されていないため、外国法令を準拠法として行われる法律行為であっても、日本の会社法上の合併に相当する法的効果を具備するものであれば、法人税法上の合併に該当すると考えられる。

 この点、本合併は、欧州議会及び欧州理事会2005/56EC指令に関する英国及びオランダの各国内実施法を準拠法として行われるものであり、日本の会社法上の合併の本質的要素を具備すると認められることから、日本の法人税法上の合併に該当するものとして取り扱うのが相当。また、法人税法上の適格合併に該当するため、A社においてみなし配当の金額は生じず、また、B社株式の譲渡損益は繰り延べられるものと考える旨を照会したところ、大阪国税局はその通り取り扱って差し支えないとした。

英国子会社がオランダ法人と行う合併の取扱いについて

提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)



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9月13日更新

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 外国子会社同士の吸収合併は日本の税法上の適格合併に該当するのか-。経済取引の国際化が進む中、中小企業でも直面し得るこの問題にこのほど国税庁が回答した。 これは、納税者からの事前照会に対する文書回答事例を、国税庁が「英国子会社がオランダ法人と行う合併の取扱いについて」と題して公表したもの。照会者であるA社の英国子会社B社と、オランダ子会社C社が合併する場合、法人税法上、適格合併に該当するかを親会社であるA社が大阪国税局に問い合わせたものだ。具体的な事実関係は下記の通り。  (1)A社がオランダC社を設立する。(2)C社を合併法人、B社を被合併法人とする合併を行う。(3)本件合併に伴い、B社の株主であるA社に対してはC社株式以外の資産は交付されない。(4)本件合併により、B社の合併直前の資産及び負債の全てをC社が引き継ぐ。(5)A社は本件合併後においてC社の発行済株式の全てを継続して保有する見込みである。(6)本件合併は、EU域内の異なる国に所在する会社間での合併を司る欧州議会及び欧州理事会2005/56EC指令を受けた現地国法令である英国及びオランダの各国内実施法を準拠法として行われる。 なお、合併期日は、英国がEUからの離脱を予定している2019年3月29日よりも前になる予定。 本合併は英国とオランダに所在する法人間で行われるため、日本の法人税法上の合併に該当するのか疑問が生じるが、法人税法上の合併は日本の会社法を準拠法として行われる合併に限定されていないため、外国法令を準拠法として行われる法律行為であっても、日本の会社法上の合併に相当する法的効果を具備するものであれば、法人税法上の合併に該当すると考えられる。 この点、本合併は、欧州議会及び欧州理事会2005/56EC指令に関する英国及びオランダの各国内実施法を準拠法として行われるものであり、日本の会社法上の合併の本質的要素を具備すると認められることから、日本の法人税法上の合併に該当するものとして取り扱うのが相当。また、法人税法上の適格合併に該当するため、A社においてみなし配当の金額は生じず、また、B社株式の譲渡損益は繰り延べられるものと考える旨を照会したところ、大阪国税局はその通り取り扱って差し支えないとした。
2019.03.27 15:55:08