シェアエコノミー業界 確定申告の啓発急ぐ
民泊などのシェアリングエコノミーが広がる中、稼いだ所得の確定申告をしなければならない人が増えている。申告に慣れていない会社員や主婦も少なく無いとみて、関連業界は啓発イベントを開くなど支援に取り組んでいる。
会社員の副業は、人手不足や働き方の多様化を受け、政府が2018年にこれまでの事実上禁止から推進へと大きく方向転換した。同時にネットを通じて遊休資産や技能を活用するシェアリングエコノミーも大きく浸透しており、会社員が副収入を得る機会は拡大した。
しかし、一般的な会社員ならシェアエコによるものを含めて副業での所得が年20万円を超えると確定申告が必要だ。
そこで、シェアリングエコノミーの仲介業者などで作るシェアリングエコノミー協会は、国税庁職員などを招いた啓発イベントを開催した。同様のイベントは、企業と個人の間で仕事の受発注を仲介するクラウドワークスなども開いている。
また、確定申告を支援するサービスを手がける企業もある。会計ソフト会社「フリー」は昨年12月、副業をしている人向けにスマートフォンやPCで質問に答えたり数値を入れたりすれば確定申告に必要な書類を作れるサービスを提供。家計簿アプリを手がけるマネーフォワードも、銀行口座やクレジットカードと連携させれば書類作成を省力化できるサービスを行う。
シェアエコを巡っては、政府税制調査会では有識者から、税務負担を仲介業者に求める声も出たが、多くのネット仲介業者はベンチャーで、過度の事務負担を強いることは、成長の芽を摘むことになりかねないと、政府内でも抵抗感が強い。
現状は、シェアエコのサービスを通じ副業にいそしむ個人がきちんと納税をするかは個々人のモラルによるところが大きいのが実情で、啓発が重要となっている。
提供元:エヌピー通信社