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請負代金は検査合格日の事業年の益金と判断、全部取消し

 請負工事に係る出来高請求金額が各事業年度の法人税の所得金額の計算上益金の額に算入されるか、また各課税期間の消費税の課税資産の譲渡等の対価となるか否かの判断が争われた事件で国税不服審判所は、工事完成基準に基づいて各工事の請負代金の全額を各工事の検査合格日が属する事業年度の益金に算入すべきであると判断、原処分の全部を取り消した。

 この事件は、請負工事を行う法人が、その収益を請負工事の全部が完成し、元請先の検査に合格した日の属する事業年度に計上したところ、原処分庁が未成工事受入金として経理処理していた工事収入の一部を、出来高に応じて工事代金を収入する旨約されていることを理由に、出来高に対応する工事収入は出来高部分が検収された日の属する事業年度の益金の額に算入すべきであると判断して法人税等の更正処分等をしてきたため、法人側が原処分の全部又は一部取消しを求めて審査請求したという事案である。

 原処分庁側は、法人が元請先から請け負った各工事に係る注文書及び注文請書に、請負代金の支払条件として、元請先の検収に基づく出来高払いによることとされていたことを踏まえ、法人税基本通達2-1-9(部分完成基準による収益の帰属時期の特例)が定める特約又は慣習があることから、出来高に応じた請求金額を出来高が検収された日の属する事業年度の益金として算入すべきである旨主張して、審査請求の棄却を求めた。

 これに対して裁決はまず、各出来高請求金額は各工事の工事監督者が各工事の出来高を査定したもので、各工事の出来高の請求書にはこの査定を「検収」と記載されているが、これは出来高の金額を確認する、あるいは出来高の金額の支払いを認めるという意味で使用しているものであり、元請先が各出来高請求金額に相当する部分の完成を確認したものではないと指摘した。

 また、元請先は、工事の竣工検査における合格日(検査合格日)を検収日(引渡日)としていることから、各工事はそれぞれの検査合格日に役務の提供が完了したと認められるとも認定した。

 その結果、各工事に係る収益は、法人税基本通達2-1-5(請負による収益の帰属の時期)が定めるいわゆる工事完成基準によって、各工事の請負代金の全額を各工事の検査合格日の属する事業年度の益金の額として算入すべきであると判断して、原処分の全部を取り消した。

      (2018.04.13国税不服審判所裁決)

提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)



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9月13日更新

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2019.02.25 16:26:23