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キャバクラ店のキャストに支払った金員は給与等と認定、棄却

所得税 判例

 キャバクラ店で接客業務に従事するいわゆるキャストに支払った金員が給与所得に当たるのか、それとも事業所得に当たるのかの判断が争われた事件で国税不服審判所は、キャストは入店から退店までの間、経営者の支配下にあって空間的、時間的な拘束を受け、継続的又は断続的に労務又は役務の提供をしていたとみることができることから給与等に該当すると判断、キャバクラ店経営者側の審査請求を斥けた。

 この事件は、風営法に基づく2店舗のキャバクラ店を営む審査請求人が接客業務に従事するキャスト及びスタッフに支払った金員を給与等、売上金員の一部を代表者が費消したのも同人に対する給与等に該当すると原処分庁が認定した。

 その上で、源泉徴収に係る所得税及び復興特別所得税の納税告知処分等を行うとともに、キャスト等に簿外で支払った金員相当額を課税標準額から除外したとして消費税及び地方消費税に係る重加算税の賦課決定処分を行い、さらにキャスト等に支払った金員は課税仕入れに該当しないとして行われた消費税等に係る更正の請求に対して更正をすべき理由がない旨の通知処分を行ってきたわけだ。

 そこで請求人側は、キャスト等に支払った金員は報酬料金に該当し、課税仕入れに該当するから消費税額等は生じない、さらに売上金員の一部を代表者が費消した事実はないなどと主張して、原処分の全部取消しを求めて審査請求したという事案である。

 裁決は、キャストは接客業務に従事するに当たり、請求人との間で給与体系、勤務時間及び店舗規則等の勤務条件に合意し、キャストの勤務時間又は接客時間が管理され、指名客以外の客に対しても店長の指示により接客していたという事実関係から、入店から退店までの間は請求人の管理下にあったと認定した上で、空間的、時間的な拘束を受け、継続的又は断続的に労務又は役務の提供をしていたとも認定した。

 また、キャストへの支給額は接客時間等を基準に各種手当て及びペナルティの有無を勘案して算出され、採用後1、2ヵ月間は一定の時給が保証され、売掛金回収の責任を負っていなかったことから、キャストは自己の計算と危険において独立して事業を営んでいたとみることはできないと指摘。その結果、支給額は雇用契約に基づき、請求人の指揮命令に服して提供した労務の対価であるから給与等に該当すると判断して請求人の主張を斥けた。ただ、源泉所得税額の計算等の誤りを認定、結果的には一部取消しという裁決結果になった。

                      (2018.01.11国税不服審判所裁決)

提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)

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 キャバクラ店で接客業務に従事するいわゆるキャストに支払った金員が給与所得に当たるのか、それとも事業所得に当たるのかの判断が争われた事件で国税不服審判所は、キャストは入店から退店までの間、経営者の支配下にあって空間的、時間的な拘束を受け、継続的又は断続的に労務又は役務の提供をしていたとみることができることから給与等に該当すると判断、キャバクラ店経営者側の審査請求を斥けた。 この事件は、風営法に基づく2店舗のキャバクラ店を営む審査請求人が接客業務に従事するキャスト及びスタッフに支払った金員を給与等、売上金員の一部を代表者が費消したのも同人に対する給与等に該当すると原処分庁が認定した。 その上で、源泉徴収に係る所得税及び復興特別所得税の納税告知処分等を行うとともに、キャスト等に簿外で支払った金員相当額を課税標準額から除外したとして消費税及び地方消費税に係る重加算税の賦課決定処分を行い、さらにキャスト等に支払った金員は課税仕入れに該当しないとして行われた消費税等に係る更正の請求に対して更正をすべき理由がない旨の通知処分を行ってきたわけだ。 そこで請求人側は、キャスト等に支払った金員は報酬料金に該当し、課税仕入れに該当するから消費税額等は生じない、さらに売上金員の一部を代表者が費消した事実はないなどと主張して、原処分の全部取消しを求めて審査請求したという事案である。 裁決は、キャストは接客業務に従事するに当たり、請求人との間で給与体系、勤務時間及び店舗規則等の勤務条件に合意し、キャストの勤務時間又は接客時間が管理され、指名客以外の客に対しても店長の指示により接客していたという事実関係から、入店から退店までの間は請求人の管理下にあったと認定した上で、空間的、時間的な拘束を受け、継続的又は断続的に労務又は役務の提供をしていたとも認定した。 また、キャストへの支給額は接客時間等を基準に各種手当て及びペナルティの有無を勘案して算出され、採用後1、2ヵ月間は一定の時給が保証され、売掛金回収の責任を負っていなかったことから、キャストは自己の計算と危険において独立して事業を営んでいたとみることはできないと指摘。その結果、支給額は雇用契約に基づき、請求人の指揮命令に服して提供した労務の対価であるから給与等に該当すると判断して請求人の主張を斥けた。ただ、源泉所得税額の計算等の誤りを認定、結果的には一部取消しという裁決結果になった。                      (2018.01.11国税不服審判所裁決)提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)
2019.01.07 16:14:22