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財産分与は無償譲渡等の処分ではないと判断、全部取消し

 元夫であった滞納者からの財産分与が不相当に過大であるとして無償譲渡等と認定され、第二次納税義務の告知処分をされたことの可否が争われた事件で国税不服審判所は、財産分与された額は清算的・扶養的及び慰謝料的要素に基づき算定した財産分与相当額を下回っているから不相当に過大ではないと認定して無償譲渡等の処分があったとは認められないと判断、原処分を全部取り消した。

 この事件は、滞納者から預金債権等を無償で譲り受けたと認定され、原処分庁から無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務(徴収法39)に基づく第二次納税義務の納付告知処分を受けたのが発端。そこで請求人側が、預金債権等は離婚に伴う財産分与として譲り受けたもので、必要かつ合理的な理由があることから、無償譲渡には該当しないと反論、原処分の全部取消しを求めて審査請求したという事案である。

 原処分庁側は、滞納者(請求人の元夫)から請求人への預金債権及び生命保険契約等に係る解約返戻金の支払請求権の譲渡は、滞納者が営んでいた事業の請求人への引継ぎに伴い無償で譲渡されたもので、国税徴収法39条が規定する無償譲渡等の処分に該当する旨主張して審査請求の棄却を求めた。つまり、債権の譲渡は離婚に伴う財産分与ではない旨主張したわけだ。

 裁決は、事業の引継ぎに伴って滞納者から請求人に債権の譲渡があったとは認められず、離婚協議の際の合意書その他の状況等を踏まえると、預金債権等の債権は離婚に伴い、滞納者から請求人に財産分与されたものと認めるのが相当と判断。その上で、離婚に伴う財産分与が民法768条に反して不相当に過大か否かは、財産の額や婚姻期間中の状況等の諸事情を考慮して、清算的要素、扶養的要素及び慰謝料的要素に相当する額をそれぞれ算定した上で判断するのが相当とした。

 その結果、滞納者からの財産分与によって取得した財産の価額は、清算的要素等の要素に基づき算定した財産分与相当額を下回っていて不相当には過大ではないことから、無償譲渡等の処分があったとは認められないと判断して、原処分を全部取り消している。

                  (国税不服審判所平成30年1月11日裁決)

提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)



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6月25日更新

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 元夫であった滞納者からの財産分与が不相当に過大であるとして無償譲渡等と認定され、第二次納税義務の告知処分をされたことの可否が争われた事件で国税不服審判所は、財産分与された額は清算的・扶養的及び慰謝料的要素に基づき算定した財産分与相当額を下回っているから不相当に過大ではないと認定して無償譲渡等の処分があったとは認められないと判断、原処分を全部取り消した。 この事件は、滞納者から預金債権等を無償で譲り受けたと認定され、原処分庁から無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務(徴収法39)に基づく第二次納税義務の納付告知処分を受けたのが発端。そこで請求人側が、預金債権等は離婚に伴う財産分与として譲り受けたもので、必要かつ合理的な理由があることから、無償譲渡には該当しないと反論、原処分の全部取消しを求めて審査請求したという事案である。 原処分庁側は、滞納者(請求人の元夫)から請求人への預金債権及び生命保険契約等に係る解約返戻金の支払請求権の譲渡は、滞納者が営んでいた事業の請求人への引継ぎに伴い無償で譲渡されたもので、国税徴収法39条が規定する無償譲渡等の処分に該当する旨主張して審査請求の棄却を求めた。つまり、債権の譲渡は離婚に伴う財産分与ではない旨主張したわけだ。 裁決は、事業の引継ぎに伴って滞納者から請求人に債権の譲渡があったとは認められず、離婚協議の際の合意書その他の状況等を踏まえると、預金債権等の債権は離婚に伴い、滞納者から請求人に財産分与されたものと認めるのが相当と判断。その上で、離婚に伴う財産分与が民法768条に反して不相当に過大か否かは、財産の額や婚姻期間中の状況等の諸事情を考慮して、清算的要素、扶養的要素及び慰謝料的要素に相当する額をそれぞれ算定した上で判断するのが相当とした。 その結果、滞納者からの財産分与によって取得した財産の価額は、清算的要素等の要素に基づき算定した財産分与相当額を下回っていて不相当には過大ではないことから、無償譲渡等の処分があったとは認められないと判断して、原処分を全部取り消している。                  (国税不服審判所平成30年1月11日裁決)提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)
2018.12.18 15:54:50