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富裕層から670億円、無申告者から1662億円の所得税申告漏れを把握

 先般公表された国税庁の平成29事務年度所得税調査事績では、調査により38万4千件から9038億円の申告漏れ所得を把握したことが明らかになったが、近年、調査対象として国税当局が目を光らせているのが“富裕層”や“無申告”に対する調査だ。

 まず、有価証券・不動産等の大口所有者や経常的な所得が高額である富裕層への調査結果をみると、同事務年度は5219件に調査を行い、81.8%にあたる4269件から670億円の申告漏れ所得金額を把握している。前年度に比べると、調査件数を1千件近く増やしており、国税当局の力の入れようがうかがえる。特に海外取引等を行っている富裕層に対しては、862件に調査を実施した結果713件に非違が認められ、1件当たり3119万円の総額269億円の申告漏れ所得金額を把握している。

 主な調査事例では、国外の民泊仲介業者を通じた多額の民泊収入は申告せず、代わりに偽造した賃貸契約書により少額の不動産所得を申告していたケースや、海外不動産の売却利益が発生しているのに、その譲渡所得を申告していなかったケース等が把握されている。

 一方、無申告者に対する調査では、7779件の実地調査から1662億円の申告漏れを把握し、207億円を追徴している。1件あたりでは2136万円と平成21年以降最高となるとともに、所得税調査全体の1021万円の2.1倍に達している。

 主な調査事例では、会社員が副業として自身のHPに企業広告などを掲載することによりアフィリエイト収入を得ていたにもかかわらず、勤務先に副業が見つかると給与等が減額される恐れがあることから申告していなかったケースなどがある。無申告は申告納税制度の下で自発的に適正な納税をしている納税者に強い不公平感をもたらすこととなるため、国税庁では今後も的確かつ厳格に対応していく方針だ。

提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)

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6月25日更新

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 先般公表された国税庁の平成29事務年度所得税調査事績では、調査により38万4千件から9038億円の申告漏れ所得を把握したことが明らかになったが、近年、調査対象として国税当局が目を光らせているのが“富裕層”や“無申告”に対する調査だ。 まず、有価証券・不動産等の大口所有者や経常的な所得が高額である富裕層への調査結果をみると、同事務年度は5219件に調査を行い、81.8%にあたる4269件から670億円の申告漏れ所得金額を把握している。前年度に比べると、調査件数を1千件近く増やしており、国税当局の力の入れようがうかがえる。特に海外取引等を行っている富裕層に対しては、862件に調査を実施した結果713件に非違が認められ、1件当たり3119万円の総額269億円の申告漏れ所得金額を把握している。 主な調査事例では、国外の民泊仲介業者を通じた多額の民泊収入は申告せず、代わりに偽造した賃貸契約書により少額の不動産所得を申告していたケースや、海外不動産の売却利益が発生しているのに、その譲渡所得を申告していなかったケース等が把握されている。 一方、無申告者に対する調査では、7779件の実地調査から1662億円の申告漏れを把握し、207億円を追徴している。1件あたりでは2136万円と平成21年以降最高となるとともに、所得税調査全体の1021万円の2.1倍に達している。 主な調査事例では、会社員が副業として自身のHPに企業広告などを掲載することによりアフィリエイト収入を得ていたにもかかわらず、勤務先に副業が見つかると給与等が減額される恐れがあることから申告していなかったケースなどがある。無申告は申告納税制度の下で自発的に適正な納税をしている納税者に強い不公平感をもたらすこととなるため、国税庁では今後も的確かつ厳格に対応していく方針だ。提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)
2018.12.11 16:23:29