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相続税の期限後申告は更正を予知したものではないと判断

国税通則法 判例

 相続税の期限後申告書の提出が、国税通則法66条5項に規定された「調査があったことにより決定があるべきことを予知してされたものでないとき」に該当するか否かの判断が争われた審査請求事件で国税不服審判所は、相続人が相続税の申告及び納付を決意した後に、原処分庁の職員との申告相談を経て期限後申告書を提出したものと認定、原処分の一部を取り消した。

 この事件は、審査請求人が相続税の期限後申告書を提出したところ、原処分庁が無申告加算税の賦課決定処分をしてきたため、請求人側が期限後申告書の提出の際に調査があったことを認識しておらず、決定があるべきことも予知していなかったと主張して、原処分の一部取消しを求めて審査請求したという事案である。

 原処分庁側は、原処分庁の職員が、相続税に係る調査の事前通知をした上で相続税の調査を行う旨を請求人に説明した他、調査結果の内容の説明とともに期限後申告を勧奨したと反論。その結果、請求人は調査があったことを認識し、期限後申告をしなければやがて決定されるであろうことを認識することができたと認められることから、国税通則法66条(無申告加算税)5項の「決定があるべきことを予知してされたものでないとき」には該当しないと主張して審査請求の棄却を求めた。

 裁決はまず、調査があったことにより決定があるべきことを予知してされたものでないときに該当するか否かの判断は、調査の内容・進捗状況、それに関する納税者の認識、期限後申告に至る経緯、期限後申告と調査の内容との関連性等の事情を総合考慮して判断するのが相当と解釈した。

 その上で、請求人は、請求人の母と原処分庁の職員との間で行われた申告相談結果を契機に、相続税の申告及び納付を決意し、その後、同職員との申告相談を経て期限後申告書を提出したものと認められると認定した。

 つまり、請求人がこのまま申告しなければやがて決定されるであろうとの認識の下で期限後申告書を提出したものとは認められず、そもそも期限後申告書の提出に至るまで相続税に関する調査を受けていたとの認識を有していたとも認められないと判断したわけだ。そうした事実関係から、期限後申告書の提出は、決定があるべきことを予知してされたものでないときに該当すると判断して、原処分の一部を取り消している。
 
                       (2018.01.29国税不服審判所裁決)

提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)

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2018.11.19 14:50:23