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第二次納税義務の納付告知処分の限度額の算定を違法と判断

判例 その他

 第二次納税義務の納付告知処分が、国税徴収法35条が定める再度換価に付したという要件を満たしたものか、またその限度額が株式の適正な時価を反映して算出されたものか否かの判断が争われた事件で国税不服審判所は、告知処分に係る限度額が審査請求人の発行する株式の適正な時価を反映して算出されたものではないと判断、第二次納税義務の告知処分の全部を取り消す裁決を言い渡した。

 この事件は、2つの滞納国税に係る第二次納税義務の納付告知処分を受けた審査請求人が、各処分は同族会社の第二次納税義務(徴収法35)の要件を満たしておらず違法なものであるという判断から、その全部取消しを求めて審査請求したという事案である。

 国税徴収法35条は、滞納者が同族会社の株式等を有する場合において、株式等を再度換価に付しても買受人がいない、又は譲渡制限がある等から譲渡することに支障がある場合に、滞納者に滞納処分を執行してもなお徴収すべき国税に不足が生じると認められるときは、株式等の価額の限度において、その同族会社が第二次納税義務を負うと定めている。

 つまり、第二次納税義務に係る納付告知処分が、再度換価に付したことの要件を満たしているか、またその限度額が同族会社の株式の適正な時価を反映したものか否かが争点になったわけだ。

 そこで原処分庁側は、第二次納税義務の限度額を直前の決算期末の貸借対照表に記載されている簿価に基づいて算出したことが、徴収法基本通達35条関係の13(資産及び負債の額の計算)が定める「特に徴収上支障がない」場合に該当することから、株式の適正な時価を反映させた適法なものである旨主張して、審査請求の棄却を求めた。

 裁決はまず、同通達が直前期末の貸借対照表等を参考にすることを認めているのは、納付通知書を発した日の時価評価額を簡便に行えるよう企図したものであると解釈。しかし、直前の決算期の貸借対照表等の各勘定科目の中に、その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれる債権などのように、額面通りの経済的価値があるとはいい難い資産、またその債務の発生が確実とはいえないような負債が含まれている場合には、貸借対照表等の金額に一定の修正を加えて客観的な時価を算出するのが相当であり、原処分における各限度額は、請求人が発行する株式の適正な時価を反映して算出された適法なものとはいえないと判断して、原処分の全部を取り消した。

    (2017.12.13国税不服審判所裁決)

提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)



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 第二次納税義務の納付告知処分が、国税徴収法35条が定める再度換価に付したという要件を満たしたものか、またその限度額が株式の適正な時価を反映して算出されたものか否かの判断が争われた事件で国税不服審判所は、告知処分に係る限度額が審査請求人の発行する株式の適正な時価を反映して算出されたものではないと判断、第二次納税義務の告知処分の全部を取り消す裁決を言い渡した。 この事件は、2つの滞納国税に係る第二次納税義務の納付告知処分を受けた審査請求人が、各処分は同族会社の第二次納税義務(徴収法35)の要件を満たしておらず違法なものであるという判断から、その全部取消しを求めて審査請求したという事案である。 国税徴収法35条は、滞納者が同族会社の株式等を有する場合において、株式等を再度換価に付しても買受人がいない、又は譲渡制限がある等から譲渡することに支障がある場合に、滞納者に滞納処分を執行してもなお徴収すべき国税に不足が生じると認められるときは、株式等の価額の限度において、その同族会社が第二次納税義務を負うと定めている。 つまり、第二次納税義務に係る納付告知処分が、再度換価に付したことの要件を満たしているか、またその限度額が同族会社の株式の適正な時価を反映したものか否かが争点になったわけだ。 そこで原処分庁側は、第二次納税義務の限度額を直前の決算期末の貸借対照表に記載されている簿価に基づいて算出したことが、徴収法基本通達35条関係の13(資産及び負債の額の計算)が定める「特に徴収上支障がない」場合に該当することから、株式の適正な時価を反映させた適法なものである旨主張して、審査請求の棄却を求めた。 裁決はまず、同通達が直前期末の貸借対照表等を参考にすることを認めているのは、納付通知書を発した日の時価評価額を簡便に行えるよう企図したものであると解釈。しかし、直前の決算期の貸借対照表等の各勘定科目の中に、その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれる債権などのように、額面通りの経済的価値があるとはいい難い資産、またその債務の発生が確実とはいえないような負債が含まれている場合には、貸借対照表等の金額に一定の修正を加えて客観的な時価を算出するのが相当であり、原処分における各限度額は、請求人が発行する株式の適正な時価を反映して算出された適法なものとはいえないと判断して、原処分の全部を取り消した。    (2017.12.13国税不服審判所裁決)提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)
2018.10.10 16:38:29