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なお不足があるときの差押処分ではないと判断、全部取消し

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 差押処分は国税通則法が定める「なお不足があると認めるとき」になされたものでなくとも適法か否かの判断が争われた事件で国税不服審判所は、国税の担保のために抵当権が設定された担保不動産の上に築造された建物に対する差押処分は国税通則法52条4項が定める「なお不足があると認めるとき」になされたものではないと指摘した上で、原処分を全部取り消した。

 この事件は、原処分庁が審査請求人の延納に係る国税を担保するために抵当権を設定した後、その担保不動産上に築造された建物の差押処分をしたのが発端。そこで請求人側が、差押処分は担保不動産の処分の代金を滞納国税及び処分費に充てても、なお不足があるとき(通法52④)になされたものではないため違法と主張して、原処分の全部取消しを求めて審査請求したという事案である。つまり、差押処分(徴法47①一)が、通則法52条4項が定める「なお不足があると認めるとき」になされたものでなくとも適法か否かが争点になった事案である。

 原処分庁側は、国税の担保のため抵当権が設定された担保不動産の上に築造された建物に対して行った差押処分(徴法47①一)は、担保の処分を定めた通則法52条4項の規定に沿ってなされたものではないものの、抵当権の設定後に抵当地に築造された建物を抵当権とともに競売できる旨を定めた民法389条1項(抵当地の上の建物の競売)の規定から許容されると主張して、審査請求の棄却を求めた。

 裁決は、国税の担保の処分においても民法389条1項が適用されると解釈できる余地はあるものの、そうした場合でも、抵当権の設定後に抵当地に築造された建物を抵当地とともに公売するための差押えが担保権の実行であると指摘。そうである以上、それは通則法52条1項に基づく担保物処分のための差押えとして行うものであり、国税徴収法47条1項1号に基づく差押処分は通則法52条4項が定める「なお不足があると認めるとき」になされたものではないため違法と判断して、原処分を全部取り消した。

                       (2017.10.16国税不服審判所裁決)

提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)

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 差押処分は国税通則法が定める「なお不足があると認めるとき」になされたものでなくとも適法か否かの判断が争われた事件で国税不服審判所は、国税の担保のために抵当権が設定された担保不動産の上に築造された建物に対する差押処分は国税通則法52条4項が定める「なお不足があると認めるとき」になされたものではないと指摘した上で、原処分を全部取り消した。 この事件は、原処分庁が審査請求人の延納に係る国税を担保するために抵当権を設定した後、その担保不動産上に築造された建物の差押処分をしたのが発端。そこで請求人側が、差押処分は担保不動産の処分の代金を滞納国税及び処分費に充てても、なお不足があるとき(通法52④)になされたものではないため違法と主張して、原処分の全部取消しを求めて審査請求したという事案である。つまり、差押処分(徴法47①一)が、通則法52条4項が定める「なお不足があると認めるとき」になされたものでなくとも適法か否かが争点になった事案である。 原処分庁側は、国税の担保のため抵当権が設定された担保不動産の上に築造された建物に対して行った差押処分(徴法47①一)は、担保の処分を定めた通則法52条4項の規定に沿ってなされたものではないものの、抵当権の設定後に抵当地に築造された建物を抵当権とともに競売できる旨を定めた民法389条1項(抵当地の上の建物の競売)の規定から許容されると主張して、審査請求の棄却を求めた。 裁決は、国税の担保の処分においても民法389条1項が適用されると解釈できる余地はあるものの、そうした場合でも、抵当権の設定後に抵当地に築造された建物を抵当地とともに公売するための差押えが担保権の実行であると指摘。そうである以上、それは通則法52条1項に基づく担保物処分のための差押えとして行うものであり、国税徴収法47条1項1号に基づく差押処分は通則法52条4項が定める「なお不足があると認めるとき」になされたものではないため違法と判断して、原処分を全部取り消した。                       (2017.10.16国税不服審判所裁決)提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)
2018.09.03 16:13:41