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固定資産の評価等に関する法令解釈の誤りを指摘、原審に差戻し

 駐車場として利用している一団の土地の街路が建築基準法上の幅員4m以上の3号道路に該当し、固定資産評価基準の細街路等補正、通路等補正が必要か否かの判断が争われた事件で最高裁(林景一裁判長)は、3号道路に該当することを前提にした登録価格の決定を適法とした原審の判断には固定資産の評価等に関する法令の解釈適用の誤りがあると判断、更に審理を尽くさせるため、大阪高裁に差戻しを命じる判決を言い渡した。

 この事件は、駐車場として利用している一団(4筆)の土地に係る固定資産税の納税義務者が、市の土地課税台帳に登録された価格を不服として固定資産評価審査委員会に審査の申出をしたところ、同委員会が申出を棄却する旨の決定をしたため、その取消しを求めて提訴したのが発端。しかし、控訴審も納税者側の請求を棄却する判決を下したため、更にその取消しを求めて最高裁に上告したという事案である。

 自治体側は、登録価格を決定するため市街地宅地評価法によって土地の価額を算出したが、その他の街路となる路線価の付設の際に、細街路等補正率及び通路等補正率表所定の補正はしなかった。そこで納税者側は、街路が道として存在したとしても、その幅員は4m以上ではなく、3号道路に該当しないことを前提に算出すべきである旨主張した。

 しかし大阪高裁は、街路の幅員がどの程度か不明なものの、相応の根拠の下に3号道路に該当すると判断し、建築確認等はこれを前提にされていると指摘。その結果、建築基準法上の42条道路に接しないとして建築物の建築ができない事態となる可能性はなく、3号道路に該当することを前提にした登録価格の決定は適法と判断して、納税者側の主張を棄却する判決を言い渡した。

 これに対し最高裁は、街路が3号道路の要件を満たすか否か明らかでないとしつつ、道路判定等を理由に建築確認を受けることができないため建築物の建築ができない事態となる可能性はないとして、街路が3号道路に該当することを前提にした登録価格の決定を適法とした原審の判断には、固定資産の評価等に関する法令の解釈適用に誤りがあると指摘して、破棄は免れないと判示した。

 結局、3号道路に該当するか否か、登録価格が評価基準によって決定される土地の価格を上回らないか否か等の事実関係の審理を更に尽くさせるため、大阪高裁に差し戻した。

         (2018.07.17最高裁第三小法廷判決、平成28年(行ヒ)第406号)

提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)

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8月9日更新

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2018.08.20 17:03:47