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29年度の再調査の請求・訴訟の納税者救済・勝訴割合が大きく上昇

 納税者が国税当局の処分に不満がある場合は、税務署等に対する再調査の請求や国税不服審判所に対する審査請求という行政上の救済制度と、訴訟を起こして裁判所に処分の是正を求める司法上の制度がある。国税庁・国税不服審判所が20日に公表した再調査の請求や審査請求、訴訟の概要によると、今年3月までの1年間(平成29年度)の再調査の請求・税務訴訟の納税者救済・勝訴割合が大きく上昇したことが分かった。

 再調査の請求の発生件数は、消費税(30.8%増の633件)などの税目が増加したことから、全体では前年度から8.4%増の1814件となった。処理件数は、「取下げ等」208件、「却下」200件、「棄却」1105件、「一部取消」173件、「全部取消」40件の合計1726件。納税者の主張が一部でも認められたのは計213件となり、処理件数全体に占める割合(救済割合)は前年度を5.5ポイント上回る12.3%だった。

 また、国税不服審判所への審査請求の発生件数は、申告所得税等(63.1%増の910件)などほとんどの税目が増加したことから、前年度から18.7%増の2953件となった。処理件数は、「取下げ」247件、「却下」186件、「棄却」1840件、「一部取消」148件、「全部取消」54件の合計2475件だった。納税者の主張が何らかの形で認められた救済割合は同4.1ポイント減の8.2%と大きく減少した。

 一方、訴訟となった発生件数は、所得税(32.5%減の54件)や法人税(21.1%減の30件)などが減少したことから、前年度を13.5%下回る199件だった。訴訟の終結件数は、「取下げ等」18件、「却下」17件、「棄却」154件、「国の一部敗訴」10件、「国の全部敗訴」11件の合計210件。国側の敗訴(納税者勝訴)割合は同5.5ポイント増の10.0%と大きく上昇している。

平成29年度における再調査の請求の概要について

平成29年度における審査請求の概要について

平成29年度における訴訟の概要について

提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)

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 納税者が国税当局の処分に不満がある場合は、税務署等に対する再調査の請求や国税不服審判所に対する審査請求という行政上の救済制度と、訴訟を起こして裁判所に処分の是正を求める司法上の制度がある。国税庁・国税不服審判所が20日に公表した再調査の請求や審査請求、訴訟の概要によると、今年3月までの1年間(平成29年度)の再調査の請求・税務訴訟の納税者救済・勝訴割合が大きく上昇したことが分かった。 再調査の請求の発生件数は、消費税(30.8%増の633件)などの税目が増加したことから、全体では前年度から8.4%増の1814件となった。処理件数は、「取下げ等」208件、「却下」200件、「棄却」1105件、「一部取消」173件、「全部取消」40件の合計1726件。納税者の主張が一部でも認められたのは計213件となり、処理件数全体に占める割合(救済割合)は前年度を5.5ポイント上回る12.3%だった。 また、国税不服審判所への審査請求の発生件数は、申告所得税等(63.1%増の910件)などほとんどの税目が増加したことから、前年度から18.7%増の2953件となった。処理件数は、「取下げ」247件、「却下」186件、「棄却」1840件、「一部取消」148件、「全部取消」54件の合計2475件だった。納税者の主張が何らかの形で認められた救済割合は同4.1ポイント減の8.2%と大きく減少した。 一方、訴訟となった発生件数は、所得税(32.5%減の54件)や法人税(21.1%減の30件)などが減少したことから、前年度を13.5%下回る199件だった。訴訟の終結件数は、「取下げ等」18件、「却下」17件、「棄却」154件、「国の一部敗訴」10件、「国の全部敗訴」11件の合計210件。国側の敗訴(納税者勝訴)割合は同5.5ポイント増の10.0%と大きく上昇している。
2018.06.22 16:10:33