時効援用せずに支払われた公的年金等を源泉徴収不要に
平成30年度税制改正により、公的年金等の支給を受ける権利の消滅時効が完成した場合に、その権利の消滅時効を援用せずに支払われる年金については、源泉徴収を要しないことになった。本年4月1日以後に支払われる公的年金等から適用される。
年金を受ける権利の時効は、年金の支給を受ける権利が発生してから5年を経過すると消滅する。ただし、時効期間が過ぎれば自然に成立するものではなく、時効が完成するには時効によって利益を受ける者(国)が、時効が成立したことを主張する必要があり、この主張を「時効の援用」という。日本年金機構による年金記録の訂正や事務処理誤り等があった場合で一定の事由に該当すると、平成24年11月以降、時効の援用はされず年金が支払われている。
30年度改正は、公的年金等の源泉徴収義務規定から消滅時効を援用せずに支払われる年金を除外するもの。これに伴い、公的年金等に係る確定申告不要制度における、全ての公的年金等が源泉徴収されていることとの要件も見直され、全ての公的年金等には、消滅時効を援用せずに支払うこととされた公的年金等を含まないことが規定された。
提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)