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期限後申告書は調査による決定を予知してされたものではないと判断

国税通則法 判例 その他

 所得税等に関する期限後申告書が、国税に関する調査があったことにより決定があることを予知して提出されたものであるかの判断が争われた事件で国税不服審判所は、調査の内容、進捗状況の認識、期限後申告に至る経緯、さらに期限後申告と調査の内容との関連性の事情等を総合考慮した結果、決定があることを予知して提出されたものではないと判断、原処分を全部取り消した。

 この事件は、不動産の賃貸に伴う不動産所得に関して審査請求人が4年分の所得税等に係る期限後申告書を提出したところ、原処分庁が無申告加算税の賦課決定処分をしてきたのが発端。そこで請求人が、期限後申告書は国税に関する調査があったことによりその国税に係る決定があることを予知してされたものでないときに該当すると主張して、原処分の一部取消しを求めて審査請求したという事案である。

 原処分庁側は、調査担当職員が請求人の配偶者の所得税に係る調査の際に、請求人名義の不動産から生じる不動産所得が配偶者の所得として申告され、請求人が申告していない事実を把握した上で、請求人の所得税の課税標準等又は税額等を確定するために税理士に質問を行ったのであるから、無申告加算税を定めた国税通則法66条5項が定める「決定があるべきことを予知してされたものでないとき」には該当しない旨主張して、審査請求の棄却を求めた。

 裁決はまず、「更正があるべきことを予知してされたものでない」ことの考え方に触れ、その判断の際には、調査の内容・進捗状況、それに関する納税者の認識、期限後申告に至る経緯、期限後申告と調査の内容との関連性の事情等を総合的に考慮して判断すべきであるという解釈を示した。

 その上で、請求人は調査に応じた税理士を通じて所得税に係る調査を認識したものの、その調査とは別の契機によって不動産の名義どおりに申告をやり直したいとの申出を行い、期限後申告を行っているのであるから、期限後申告書の提出は「決定があるべきことを予知してされたものでない」ことに該当すると認定。その結果、審判所は無申告加算税の額が5000円未満となった年分については全部取り消し、その他の年分については5%相当額を超える部分について処分の一部を取り消すのが相当と判断している。

               (2017.09.26国税不服審判所裁決)

提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)

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 所得税等に関する期限後申告書が、国税に関する調査があったことにより決定があることを予知して提出されたものであるかの判断が争われた事件で国税不服審判所は、調査の内容、進捗状況の認識、期限後申告に至る経緯、さらに期限後申告と調査の内容との関連性の事情等を総合考慮した結果、決定があることを予知して提出されたものではないと判断、原処分を全部取り消した。 この事件は、不動産の賃貸に伴う不動産所得に関して審査請求人が4年分の所得税等に係る期限後申告書を提出したところ、原処分庁が無申告加算税の賦課決定処分をしてきたのが発端。そこで請求人が、期限後申告書は国税に関する調査があったことによりその国税に係る決定があることを予知してされたものでないときに該当すると主張して、原処分の一部取消しを求めて審査請求したという事案である。 原処分庁側は、調査担当職員が請求人の配偶者の所得税に係る調査の際に、請求人名義の不動産から生じる不動産所得が配偶者の所得として申告され、請求人が申告していない事実を把握した上で、請求人の所得税の課税標準等又は税額等を確定するために税理士に質問を行ったのであるから、無申告加算税を定めた国税通則法66条5項が定める「決定があるべきことを予知してされたものでないとき」には該当しない旨主張して、審査請求の棄却を求めた。 裁決はまず、「更正があるべきことを予知してされたものでない」ことの考え方に触れ、その判断の際には、調査の内容・進捗状況、それに関する納税者の認識、期限後申告に至る経緯、期限後申告と調査の内容との関連性の事情等を総合的に考慮して判断すべきであるという解釈を示した。 その上で、請求人は調査に応じた税理士を通じて所得税に係る調査を認識したものの、その調査とは別の契機によって不動産の名義どおりに申告をやり直したいとの申出を行い、期限後申告を行っているのであるから、期限後申告書の提出は「決定があるべきことを予知してされたものでない」ことに該当すると認定。その結果、審判所は無申告加算税の額が5000円未満となった年分については全部取り消し、その他の年分については5%相当額を超える部分について処分の一部を取り消すのが相当と判断している。               (2017.09.26国税不服審判所裁決)提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)
2018.04.23 16:05:49