HOME ニュース一覧 平成30年度税制改正法案が成立

税ニュース

平成30年度税制改正法案が成立

税制改正

◆国際観光旅客税法案は参院で審議中

 平成30年度税制改正法案である所得税法等一部改正法案は3月28日の参院本会議で可決・成立した。施行は4月1日。出国する際に千円を徴収する国際観光旅客税を定めた国際観光旅客税法案は参院で審議中。30年度税制改正では、働き方の多様化等を踏まえ、個人所得課税の見直しを行うとともに、デフレ脱却と経済再生に向け、賃上げ・生産向上のための税制上の措置を講じ、さらに、事業承継税制の拡充等を行う。

◆給与所得控除・公的年金等控除から基礎控除へ振替え

 個人所得課税は、給与所得控除・公的年金等控除から基礎控除へ振り替える。特定の収入にのみ適用される給与所得控除・公的年金等控除をそれぞれ10万円引き下げる一方、どのような所得にも適用される基礎控除を同額引き上げる。65万円が適用される青色申告特別控除も10万円引き下げ55万円になるが、電子申告等を行っている場合は現行の控除額が維持される。これらの改正は平成32年分以後の所得税から適用される。

◆所得拡大促進税制を改組

 法人課税は、所得拡大促進税制を改組し、「継続雇用者給与等支給額が対前年度3%以上増加」及び「国内設備投資額が減価償却費の総額の90%以上」の要件を満たす場合等に、給与等支給増加額について税額控除する。情報連携投資等の促進に係る税制を創設する。一方で、租税特別措置の適用要件を見直し、賃金引上げや設備投資について一定の要件を満たさない大企業については、研究開発税制その他の一定の税額控除の適用を停止する。

◆事業承継税制を拡充

 資産課税では、中小企業の代替わりを促進する事業承継税制を拡充する。平成30年1月から10年間の贈与・相続に対する特例として、1)猶予対象の株式の制限(総株式数の2/3)の撤廃、2)納税猶予割合の引上げ(80%⇒100%)、3)雇用確保要件の弾力化、4)複数(最大3名)の後継者に対する贈与・相続への対象の拡大、5)経営環境の変化に対応した減免制度の創設、などの措置を講ずる。

◆大法人の法人税等の電子申告を義務化

 そのほか、国際課税では、恒久的施設関連規定を見直す(租税回避防止等のため、恒久的施設(PE)の範囲を見直し)。納税環境整備では、大法人の法人税等の電子申告の義務化や、生命保険料控除等に係る年末調整関係書類の提出について電磁的方法による提供を追加する。たばこ税は、税率を1本当たり0.5円ずつ3段階で合計1.5円(国・地方合計3円)引き上げ、加熱式たばこの課税区分の新設及び課税方式を見直す。

地方税法等一部改正案も同日成立

◆固定資産税等の負担調整措置は現行の仕組みを3年延長

 同様に平成30年度税制改正法案である地方税法等一部改正法案も同日成立している。まず、土地税制については、30年度評価替え(3年に1回)に際し、固定資産税等(土地)の負担調整措置は、現行の仕組みを3年延長。不動産取得税の特例税率等は、住宅及び土地に係る税率の特例措置(4%→3%)及び宅地評価土地に係る課税標準の特例措置(2分の1)をそれぞれ3年延長する。

◆固定資産税を最大ゼロまで軽減する特例措置を創設

 次に、生産性革命の実現に向けた中小企業の設備投資の支援のため、生産性革命集中投資期間中における臨時、異例の措置として、地域の中小企業による設備投資の促進に向けて、生産性向上特別措置法(現在国会で審議中)の規定により市町村が主体的に作成した計画に基づき行われた中小企業の一定の設備投資について、固定資産税を2分の1からゼロまで軽減することを可能とする3年間の時限的な特例措置を創設した。

◆地方税も給与所得控除等から基礎控除へ振替え

 また、働き方の多様化を踏まえ、特定の働き方だけでなく、様々な形で働く人を応援し、「働き方改革」を後押しする観点から、所得税と同様、給与所得控除・公的年金等控除の制度の見直しを図りつつ、一部を基礎控除に振り替えるなどの対応を行う(平成33年1月1日施行)。給与所得控除・公的年金等控除から基礎控除へ振り替え、給与所得控除・公的年金等控除を10万円引き下げ、基礎控除を同額引き上げる(基礎控除額:33万円→43万円)。

 さらに、基礎控除を見直し、控除額が逓減・消失する仕組みを導入。合計所得金額2400万円超2450万円以下は控除額が29万円、同2450万円超2500万円以下は控除額が15万円、同2500万円超は適用しない。給与所得控除・公的年金等控除を見直し、給与所得控除の上限となる給与収入を1000万円超から850万円超に引き下げ、公的年金等控除の上限を設定し、上限となる公的年金等収入を1000万円超とする。

◆平成31年10月から共通電子納税システムを導入

 そのほか、複数の地方公共団体への納税を一度の手続きで可能とするため、全地方公共団体が加入・運営している電子情報処理組織(eLTAX)を活用して、共通電子納税システム(共同収納)を導入する(平成31年10月1日施行)。また、国税と同様に、資本金1億円超の普通法人等(大法人)に対して、法人住民税、法人事業税等の電子申告を義務付ける(平成32年4月1日施行)。

提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)

関連リンク

中企庁、抜本的に拡充された事業承継税制をPR

税ニュース
/news/tax/2018/img/img_news_01_s.jpg
 平成30年度税制改正法案である所得税法等一部改正法案は3月28日の参院本会議で可決・成立した。施行は4月1日。出国する際に千円を徴収する国際観光旅客税を定めた国際観光旅客税法案は参院で審議中。30年度税制改正では、働き方の多様化等を踏まえ、個人所得課税の見直しを行うとともに、デフレ脱却と経済再生に向け、賃上げ・生産向上のための税制上の措置を講じ、さらに、事業承継税制の拡充等を行う。
2018.04.09 10:44:30