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明らかに過大と解される特段の事情がない限り退職給与として相当

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 いわゆる平均功績倍率法を用いて算定した4億円超の役員退職給与を支払ったことを巡り、退職した役員に対する退職給与の支給額として相当であるか否かの判断が争われた事件で東京地裁(古田孝夫裁判長)は、役員の具体的な功績等に照らし支給額が明らかに過大であると解すべき特段の事情がある場合でない限り、退職給与として相当であると認められる金額を超えるものではないと判示して、原処分を取り消す判決を言い渡した。

 この事件は、ミシン部品の製造・販売等を営む法人が、死亡退職した元代表取締役に支払った退職慰労金の額を損金に算入して法人税の確定申告をしたのが発端。この申告に対して原処分庁が、役員退職給与の額のうち不相当に高額な部分の金額は損金の額に算入されないと否認、法人税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分をしてきたため、法人側がその取消しを求めて提訴したという事案である。

 原処分庁側は、抽出基準の全てを満たす5類似法人を機械的に抽出しており、抽出基準及び抽出方法は合理的であると主張。その上で、5法人の平均功績倍率は3.26であり、その功績倍率に死亡した役員の最終報酬月額及び勤続年数を乗じると2億1000万円程度となることから、その額を超える額は不相当に高額な部分の金額(法法34②)に該当すると指摘、損金の額には算入されないと主張した。

 これに対して判決は、平均功績倍率に、退職役員の最終月額報酬額及び勤続年数を乗じる方法いわゆる平均功績倍率方式を用いて役員退職給与の相当額を算定する場合において、少なくとも課税庁側の調査による平均功績倍率の数にその半数を加えた数を超えない数の功績倍率により算定された役員退職給与の額は、その法人における役員の具体的な功績等に照らしてその額が明らかに過大であると解すべき特段の事情がある場合でない限りは、法人税法施行令70条2号が定める「退職した役員に対する退職給与として相当であると認められる金額」を超えるものではないと判示して、原処分庁側の主張を斥ける判決を言い渡した。

(2017.10.13東京地裁判決、平成27年(行ウ)第730号)。

提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)



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2018.04.03 09:17:52