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不動産業者の意見価額は適正な時価を示していないと否定

 相続した土地を評価する際に、不動産業者の意見価額を理由に財産評価額から更に60%減額すべきか否かの判断が争われた事件で国税不服審判所は、不動産業者の意見価額は土地の周辺の取引相場の裏付けを欠く上、適正な時価を示しているとは言えないと指摘して60%減額は認められないと判断、審査請求を斥けた。

 この事件は、審査請求人が相続した土地を財産評価基本通達に基づいて評価した価額によって申告及び修正申告をした後、評価通達が定める方法ではなく、不動産業者から示された価額を基に更正の請求をしたのが発端。これに対して原処分庁が更正すべき理由がない旨の通知処分をしてきたことから、請求人側が土地の価額は当初申告の価額によるべきであるなどと主張して、原処分の全部取消しを求める審査請求をしたという事案である。

 請求人側は、各土地が無道路地でがけ地を含む上、公道から各土地まで重機が届かないという制約のため、各土地上の建物を取り壊すことができないなどの事情を考慮すべきであることから、不動産業者の意見価額を踏まえ、財産評価額からの減額割合を60%とすべきである旨主張して、全部取消しを求めたわけだ。

 しかし裁決は、不動産業者の意見価額は土地の周辺の取引相場の裏付けを欠く上、具体的な数値や客観的な根拠も示されておらず、適正な時価を示しているとはいえないと指摘した。しかし、各土地の周辺の一連の土地との高低差を比較検討すると著しい高低差があり、その利用価値が付近にある他の土地の利用状況からみて著しく低下していると認定した上で、タックスアンサーの「No.4617利用価値が著しく低下している宅地の評価」の取扱いに基づき、各土地の財産評価額から10%減額して評価するのが相当と判断した。

 結局、各土地は一体の土地として利用されているとは認められないことから、畑と宅地ごとに一の評価単位として評価すべきであるという判断から、結果的には一部取消しという裁決結果になった。

(2017.04.17国税不服審判所裁決)

提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)

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3月31日更新

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 相続した土地を評価する際に、不動産業者の意見価額を理由に財産評価額から更に60%減額すべきか否かの判断が争われた事件で国税不服審判所は、不動産業者の意見価額は土地の周辺の取引相場の裏付けを欠く上、適正な時価を示しているとは言えないと指摘して60%減額は認められないと判断、審査請求を斥けた。 この事件は、審査請求人が相続した土地を財産評価基本通達に基づいて評価した価額によって申告及び修正申告をした後、評価通達が定める方法ではなく、不動産業者から示された価額を基に更正の請求をしたのが発端。これに対して原処分庁が更正すべき理由がない旨の通知処分をしてきたことから、請求人側が土地の価額は当初申告の価額によるべきであるなどと主張して、原処分の全部取消しを求める審査請求をしたという事案である。 請求人側は、各土地が無道路地でがけ地を含む上、公道から各土地まで重機が届かないという制約のため、各土地上の建物を取り壊すことができないなどの事情を考慮すべきであることから、不動産業者の意見価額を踏まえ、財産評価額からの減額割合を60%とすべきである旨主張して、全部取消しを求めたわけだ。 しかし裁決は、不動産業者の意見価額は土地の周辺の取引相場の裏付けを欠く上、具体的な数値や客観的な根拠も示されておらず、適正な時価を示しているとはいえないと指摘した。しかし、各土地の周辺の一連の土地との高低差を比較検討すると著しい高低差があり、その利用価値が付近にある他の土地の利用状況からみて著しく低下していると認定した上で、タックスアンサーの「No.4617利用価値が著しく低下している宅地の評価」の取扱いに基づき、各土地の財産評価額から10%減額して評価するのが相当と判断した。 結局、各土地は一体の土地として利用されているとは認められないことから、畑と宅地ごとに一の評価単位として評価すべきであるという判断から、結果的には一部取消しという裁決結果になった。(2017.04.17国税不服審判所裁決)提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)
2018.07.05 18:27:05