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社会福祉法人利用の脱税スキームの関与者からの控訴を棄却

相続・贈与税 その他

 相続財産の社会福祉法人への寄附の仮装等を内容とする脱税スキームを駆使して相続税の脱税を企てたとして告発され、相続税の申告に関与した者の過少申告の認識・認容の有無、脱税指南グループとの意思連絡の有無、さらに正犯性が認められるか否かの判断が争われた相続税法違反事件で大阪高裁(和田真裁判長)は、原審判決の認定に誤りはなく、結論も相当と是認した上で控訴を棄却、有罪の判決を言い渡した。

 この事件は、相続税の申告に関与し、相続人や税理士等と共謀して被相続人の預金、有価証券及び不動産等を社会福祉法人に遺贈されたように仮装することにより、相続税の課税価格を減少させる内容虚偽の申告書を提出することで、不正の行為により相続人の正規の相続税額を5億円弱も免れたとして告発されたもの。

 原審の大阪地裁が有罪の判決を言い渡したことから控訴、脱税の故意も共謀もなく、原審判決には明らかな事実の誤認があると主張して、原審判決の取消しを求めた事件である。

 控訴人側は、脱税指南グループから専門家が関与して合法的に処理するとの説明を聞かされる一方、遺言書を偽造することや架空の債権を作出するとの説明を受けなかったにもかかわらず、寄附先に実質的に財産を帰属させる意思がないことを知っていたとしてほ脱の故意を認定した原判決には論理の飛躍があるなどの反論を展開した。

 これに対して大阪高裁は、相続財産を社会福祉法人等に実質的に帰属させるつもりもないのに、そのように装って、税の大幅な減額を図る行為は、正しく「偽りその他不正な行為により相続税を免れる」行為に他ならないと断定。さらに、そもそも相続人が既に3億円を費消していたことも認識していたのであるから、この点も含めて合法的に税を免れる方法などあるはずもないなどと指摘した上で、控訴人側の主張を悉く斥けている。結局、原判決に事実誤認はなかったと判示して、控訴を棄却した。

               (2018.02.13大阪高裁判決、平成29年(う)第714号)

提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)

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 相続財産の社会福祉法人への寄附の仮装等を内容とする脱税スキームを駆使して相続税の脱税を企てたとして告発され、相続税の申告に関与した者の過少申告の認識・認容の有無、脱税指南グループとの意思連絡の有無、さらに正犯性が認められるか否かの判断が争われた相続税法違反事件で大阪高裁(和田真裁判長)は、原審判決の認定に誤りはなく、結論も相当と是認した上で控訴を棄却、有罪の判決を言い渡した。 この事件は、相続税の申告に関与し、相続人や税理士等と共謀して被相続人の預金、有価証券及び不動産等を社会福祉法人に遺贈されたように仮装することにより、相続税の課税価格を減少させる内容虚偽の申告書を提出することで、不正の行為により相続人の正規の相続税額を5億円弱も免れたとして告発されたもの。 原審の大阪地裁が有罪の判決を言い渡したことから控訴、脱税の故意も共謀もなく、原審判決には明らかな事実の誤認があると主張して、原審判決の取消しを求めた事件である。 控訴人側は、脱税指南グループから専門家が関与して合法的に処理するとの説明を聞かされる一方、遺言書を偽造することや架空の債権を作出するとの説明を受けなかったにもかかわらず、寄附先に実質的に財産を帰属させる意思がないことを知っていたとしてほ脱の故意を認定した原判決には論理の飛躍があるなどの反論を展開した。 これに対して大阪高裁は、相続財産を社会福祉法人等に実質的に帰属させるつもりもないのに、そのように装って、税の大幅な減額を図る行為は、正しく「偽りその他不正な行為により相続税を免れる」行為に他ならないと断定。さらに、そもそも相続人が既に3億円を費消していたことも認識していたのであるから、この点も含めて合法的に税を免れる方法などあるはずもないなどと指摘した上で、控訴人側の主張を悉く斥けている。結局、原判決に事実誤認はなかったと判示して、控訴を棄却した。               (2018.02.13大阪高裁判決、平成29年(う)第714号)提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)
2018.03.13 10:04:29