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小規模宅地等の特例の適用で会計検査院が指摘

 会計検査院は、相続税関係の租税特別措置の適用状況を検査した結果を、このほど衆参議長及び内閣総理大臣に報告した。相続税関係の租税特別措置は現在24措置あるが、このうち平成28年度の減収見込額が1350億円と最も多額に上っているのが、「小規模宅地等の特例」。この特例は、相続した事業用又は居住用宅地等を相続税申告期限まで所有していることが適用要件。

 会計検査院では、平成26、27年分譲渡所得事績をもとに、相続により取得した土地等を相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに譲渡していた2907人の適用状況を調べたところ、243人が小規模宅地等の特例を適用していた。そして、243人が譲渡した土地等273件の相続税申告期限の翌日から譲渡までの期間を確認したところ、相続人が相続税申告期限の翌日から1年以内に譲渡していたものが163件(うち貸付事業用宅地等は110件)、さらに1ヵ月以内に譲渡していたものが22件(同13件)あった。

 検査結果を踏まえ会計検査院では、事業又は居住の継続への配慮という政策目的に沿っていないものが適用されている状況を指摘。これを受け関係省庁である経済産業省は適用実績の把握・検証に努めるとし、また、財務省は実態の把握と適切な見直しに努めるとしている。

租税特別措置(相続税関係)の適用状況等について

提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)

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 会計検査院は、相続税関係の租税特別措置の適用状況を検査した結果を、このほど衆参議長及び内閣総理大臣に報告した。相続税関係の租税特別措置は現在24措置あるが、このうち平成28年度の減収見込額が1350億円と最も多額に上っているのが、「小規模宅地等の特例」。この特例は、相続した事業用又は居住用宅地等を相続税申告期限まで所有していることが適用要件。 会計検査院では、平成26、27年分譲渡所得事績をもとに、相続により取得した土地等を相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに譲渡していた2907人の適用状況を調べたところ、243人が小規模宅地等の特例を適用していた。そして、243人が譲渡した土地等273件の相続税申告期限の翌日から譲渡までの期間を確認したところ、相続人が相続税申告期限の翌日から1年以内に譲渡していたものが163件(うち貸付事業用宅地等は110件)、さらに1ヵ月以内に譲渡していたものが22件(同13件)あった。 検査結果を踏まえ会計検査院では、事業又は居住の継続への配慮という政策目的に沿っていないものが適用されている状況を指摘。これを受け関係省庁である経済産業省は適用実績の把握・検証に努めるとし、また、財務省は実態の把握と適切な見直しに努めるとしている。
2017.12.08 09:14:22