地方税の第二次納税義務の納付通知に理由提示は不要と判決
地方税の滞納に係る第二次納税義務の納付通知及び催告が地方公共団体の機関がする処分に当たり、理由提示を要しないものであるか否かの判断が争われた事件で東京地裁(林俊之裁判長)は、行政手続法が定める地方公共団体の機関がする処分にあたるため理由提示を要しないと判示して、法人側の請求を斥ける判決を言い渡した。
この事件は、東京都が法人事業税及び法人都民税を滞納していた土木建築工事の請負等を行う特例有限会社の代表取締役に対して、地方税法11条の8が定める第二次納税義務があるとしてその納付通知及び催告をしたのが発端となった。
つまり、1)第二次納税義務の納付通知等が行政手続法14条1項に定められた理由の提示を欠く違法なものであるか否か、また2)納付通知等の処分が地方税法11条の8が定める要件を満たした適法なものであるか否かが争点になった事案であるが、代表取締役側は、国税における不利益処分に理由の提示を要する趣旨は地方税法にも当てはまることであることから、理由の提示を不要とする都税条例12条の2第1項は憲法31条に違反すると主張として、納付通知処分等の取消しを求めて提訴したという事案である。
これに対して判決は、東京都知事が地方税法11条の8が定める第二次納税義務があるとしてした納付通知及び催告は、東京都が定める都税条例1条の「東京都都税及びその賦課徴収については、法令その他に別に定めがあるものの外、この条例の定めるところによる」との定めを介してされたものであると認定。
そのため、行政手続法3条3項が定める「地方公共団体の機関がする処分(その根拠となる規定が条例又は規則に置かれているものに限る)」に当たることから、行政手続法14条1項本文が定めるとおり理由提示は要しないと判示して、法人側の請求を斥ける判決を言い渡した。
(東京地裁2016.12.20判決、平成27年(行ウ)第525号)
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