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過払金返還請求権の消滅時効を判断、債務の免除に当たると裁決

 裁判外の和解に基づき滞納者から受けた過払金の返還債務の一部免除が第二次納税義務を定めた国税徴収法39条の債務の免除に当たるか否かの判断が争われた事件で国税不服審判所は、過払金返還請求権の消滅時効は取引の終了日である最終弁済日から進行すると判断して、審査請求人側の主張を排斥した。

 この事件は、貸金業等を営む法人が国税滞納者との間でした裁判外の和解に基づく過払金の返還債務の一部免除に対して、原処分庁が国税徴収法39条(無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務)が定める債務の免除に当たると認定、第二次納税義務の納付告知処分をしてきたため、和解は国税徴収法39条が定める債務の免除には当たらないと請求人側が主張して審査請求した事案であるが、争点は1)滞納国税に係る徴収権が時効消滅しているか否か、2)第二次納税義務に係る徴収権が時効消滅しているか否か、3)債務の免除を受けたといえるか否かにあった。

 つまり請求人側は、国税の滞納者と行った金銭消費貸借取引は2つの取引に分かれており、前後2個の貸付取引が成立・存在するためには、原則、2個の基本契約の成立が要求されると主張するとともに、後の取引も前の取引とは法律的同一性を欠く基本契約が締結されている上、前の取引終了時から10年を経過し、前の取引に係る過払金返還債務は時効により消滅している旨の主張を展開したわけだ。

 しかし裁決は、確かに前後の取引には約定利率の変更等の事実が認められるものの、後の取引開始日に基本契約が締結され、契約書が取り交わされた事実は認められず、前の取引の最終弁済後も将来において取引を再開し、新たな借入金債務の発生が見込まれる状態にあったと指摘した上で、その全体が基本契約に基づく1個の貸付取引と認めるのが相当と判断した。

 結局、最高裁平成21年1月22日判決を基に、1個の貸付取引の終了日は後の取引の最終弁済日であり、過払金返還請求権の消滅時効は同日から進行すると指摘して、請求人側の主張を斥けた。ただ、納付すべき限度額についての原処分庁の認定額が審判所の認定額を上回ったことから、その超える部分は一部取り消された。

                        (国税不服審判所2017.03.24裁決)

提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)

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3月31日更新

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2018.07.05 18:27:03