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贈与税の申告漏れの8割超が無申告事案

 国税庁がまとめた平成28事務年度の贈与税調査事績によると、同事務年度の調査件数は、3722件(前事務年度比3%増)に対して調査が行われ、3434件(同2.5%増)から1918億円(同883.9%増)の申告漏れ課税価格を把握し、加算税を含め453億円(同823.8%増)を追徴した。申告漏れ課税価格及び加算税の大幅増加は、大口事案があったための特異なもので、この影響から1件当たりでも申告漏れ課税価格は5153万円、追徴税額は1218万円となっている。

 また、国税当局では、あらゆる機会を通じて把握した生前の資産保有・移動状況に関する情報を蓄積・活用するなどして、贈与税の無申告事案の積極的な調査に努めていることから、申告漏れのうち80.3%が無申告事案となっている。

 申告漏れ財産をみると、全体の73.1%が「現金・預貯金等」と7割を超え、「有価証券」の9.9%、「土地」の3.5%を大きく上回っており、移動及び隠しやすい現金や名義預金としている預貯金を申告から除外する場合が多い。

 贈与税の申告漏れ事案の端緒は、相続税調査時の被相続人の預貯金等状況の確認等での場合も多く、28事務年度でも相続税調査の際、相続人から「被相続人から現金を贈与されたことがあるが、申告をしていなかったので期限後申告をしたい」との申し出があったケースでは、調査官から他に贈与がないかの確認を受けた相続人は無いと回答したものの、被相続人名義の預金口座から不明出金があったことから相続人への贈与税の調査が行われた。

 その結果、相続人名義の預金口座へ入金されている事実が把握され、相続人がこの預金も贈与税の申告対象となることを知りながら、税負担を少なくするため贈与の一部のみ調査官に話したことが明らかとなり、重加算税を含め約1200万円が追徴されている。

提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)

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 国税庁がまとめた平成28事務年度の贈与税調査事績によると、同事務年度の調査件数は、3722件(前事務年度比3%増)に対して調査が行われ、3434件(同2.5%増)から1918億円(同883.9%増)の申告漏れ課税価格を把握し、加算税を含め453億円(同823.8%増)を追徴した。申告漏れ課税価格及び加算税の大幅増加は、大口事案があったための特異なもので、この影響から1件当たりでも申告漏れ課税価格は5153万円、追徴税額は1218万円となっている。 また、国税当局では、あらゆる機会を通じて把握した生前の資産保有・移動状況に関する情報を蓄積・活用するなどして、贈与税の無申告事案の積極的な調査に努めていることから、申告漏れのうち80.3%が無申告事案となっている。 申告漏れ財産をみると、全体の73.1%が「現金・預貯金等」と7割を超え、「有価証券」の9.9%、「土地」の3.5%を大きく上回っており、移動及び隠しやすい現金や名義預金としている預貯金を申告から除外する場合が多い。 贈与税の申告漏れ事案の端緒は、相続税調査時の被相続人の預貯金等状況の確認等での場合も多く、28事務年度でも相続税調査の際、相続人から「被相続人から現金を贈与されたことがあるが、申告をしていなかったので期限後申告をしたい」との申し出があったケースでは、調査官から他に贈与がないかの確認を受けた相続人は無いと回答したものの、被相続人名義の預金口座から不明出金があったことから相続人への贈与税の調査が行われた。 その結果、相続人名義の預金口座へ入金されている事実が把握され、相続人がこの預金も贈与税の申告対象となることを知りながら、税負担を少なくするため贈与の一部のみ調査官に話したことが明らかとなり、重加算税を含め約1200万円が追徴されている。提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)
2017.11.22 13:37:45