税務通信ニュース11月13日号
国税庁 28事務年度の法人税・消費税等の調査事績を公表
国税庁は11月7日、平成28事務年度における法人税・法人消費税・源泉所得税等の調査事績を公表した。前年と比べて、法人税の実地調査状況は全体的におおむね横ばい、源泉所得税については、追徴税額が減少した一方、重加算税を適用した追徴税額は増加した。消費税については、還付申告法人への調査に力を入れ、追徴税額が倍増、このうち不正計算に係る金額は4倍超に増加した。
扶養控除等申告書等もスキャナ保存制度の対象
スキャナ保存制度は領収書や契約書等といった国税関係書類が対象となっている。この点、扶養控除等申告書をはじめとする源泉徴収関係書類についても国税関係書類に該当するため、同制度の対象となっている。実務上、あまり知られていないが、平成24年度の所得税法の改正により、それまでは所得税基本通達で示されていた「源泉徴収関係書類の保存義務」が法令化されたことが背景だ。
文書化コストは移転価格事務運営要領3‐9に照らし個別判断
外国子会社の所在地国での移転価格文書化制度で、日本の最終親会社等にマスターファイルの作成義務がない場合でも外国子会社にマスターファイルの提出を義務付けるケースがある。文書化には相当なコストを要するが、グループで共用できる文書等を子会社等に提供した場合、これらの対応コストは「移転価格事務運営要領3-9 企業グループ内における役務の提供の取扱い」に基づいて個々に判断することとなろう。
政府税調 31年1月からスマホ申告を実現
政府税制調査会は11月1日に第14回の総会を開催し、税務手続の電子化や個人所得課税等について議論を行った。税務手続の電子化については、財務省・総務省から工程表が示され、スマートフォン等からの電子申告を平成31年1月から実現することなどが盛り込まれた。また、日税連会長の神津特別委員は一般社団法人や小規模宅地特例を用いた節税スキームについて問題提起しており、これらの今後の展開も注目される。