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評価通達では適正な時価を算定できない特別の事情があると判示

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 相続した市街化区域内にある無道路地(雑種地)の評価額を算出する際に、財産評価基本通達が定める評価方式では適正な時価を算定することができない特別の事情があるかないかの判断が争われた事件で大阪地裁(山田明裁判長)は、通路開設費用相当額が土地の不整形地補正後の価額を上回ると認定した上で、評価通達が定める無道路地補正によっては適切な時価を評価できない特別の事情があると判断、原処分を一部取り消す判決を言い渡した。

 この事件は、相続税の申告後、土地やマンションの評価額が過大であったことなどを理由に2度にわたって更正の請求をしたところ、原処分庁側が当初の請求に対しては更正処分をしたものの、再度の請求に対しては更正すべき理由がない旨の通知処分をしてきたのが発端。そこで相続人らが、各処分がいずれも違法であるとして、更正の請求に記載された納付税額を超える部分の取消し及び通知処分の取消しを求めて提訴したという事案である。

 つまり相続人らは、評価額が評価通達に従って決定された価額を上回り、評価通達が定める算定方式によっては適正な時価を算定することができない特別な事情があるという主張を展開して、原処分の取消しを求めたわけだ。

 判決はまず、評価通達が一般的な合理性を有すると認められることに関する当事者間の争いはないことから、相続した不動産(6土地と1のマンション)それぞれに、評価通達によっては適正な時価を算定できない特別の事情が存するのか否かを中心に検討して、判断を示した。その結果、一つの土地を除いては、事実認定の上、評価通達によって適正な時価を算定することができない特別の事情があるとは認められないと判断して請求を斥けた。

 しかし、戸建住宅に囲まれた住宅地の中にある相当不整形な土地については、建築基準法の道路と接道していないと認定した上で、実際に宅地として使用するには、建築基準法等が定める接道義務を満たすために相当多額の費用を要し、現実的には雑種地として使用するしかないにもかかわらず、評価通達が定める無道路地補正ではそれを十分に反映することができないと指摘。結局、評価通達の適用を誤ったとは言えないが、評価通達では接道義務を満たしていないことを十分に反映することができないことから、評価通達によっては適正な時価を算定することができない特別の事情があると判断して、一部を取り消した。

                 (2017.06.15大阪地裁判決、平成24年(行ウ)第259号)

提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)

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2017.11.07 10:38:57