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デンソーのタックスヘイブン訴訟で最高裁が課税取り消す

 自動車関連部品メーカーのデンソー(本社・愛知県刈谷市)が上告していたタックスヘイブン対策税制に基づく更正処分に対する取消請求訴訟で、最高裁判所(第三小法廷・山崎敏充裁判長)は10月24日、名古屋国税局による12億円の追徴課税を認めた二審判決を破棄し、課税を取り消す判決を下した。

 デンソーのシンガポール子会社が、タックスヘイブン対策税制の適用除外要件を満たしていないとして2008年3月期及び2009年3月期の2年間について、申告漏れ所得金額114億円、追徴税額12億円(地方税等含む)の更正処分を受けたことから、同社が、これを不服として提訴。一審の名古屋地裁では同社が勝訴したものの、二審の名古屋高裁では敗訴していた。

 税負担がないか又は極端に低い国や地域に子会社を設立して国内の税負担を回避する企業に対処するため設けられたのがタックスヘイブン対策税制だが、その子会社が、独立企業としての実態を備え、その国・地域で事業活動を行うことに十分な合理性がある場合は、タックスヘイブン対策税制を適用しない規定がある。

 判決では、シンガポール子会社の業務内容は相当の規模と実態を備えており、事業を行うのに必要な施設が有り、株主総会・取締役会の開催、役員の職務執行及び会計帳簿の作成・保管がいずれもシンガポール子会社で行われるなど、シンガポールで事業の管理・支配・運営を自ら行っていたこと、その事業が、タックスヘイブン対策税制の対象とする株式の保有等一定の事業に該当しないことがそれぞれ認められるので、同税制の適用除外要件を満たすとした。

提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)



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 自動車関連部品メーカーのデンソー(本社・愛知県刈谷市)が上告していたタックスヘイブン対策税制に基づく更正処分に対する取消請求訴訟で、最高裁判所(第三小法廷・山崎敏充裁判長)は10月24日、名古屋国税局による12億円の追徴課税を認めた二審判決を破棄し、課税を取り消す判決を下した。 デンソーのシンガポール子会社が、タックスヘイブン対策税制の適用除外要件を満たしていないとして2008年3月期及び2009年3月期の2年間について、申告漏れ所得金額114億円、追徴税額12億円(地方税等含む)の更正処分を受けたことから、同社が、これを不服として提訴。一審の名古屋地裁では同社が勝訴したものの、二審の名古屋高裁では敗訴していた。 税負担がないか又は極端に低い国や地域に子会社を設立して国内の税負担を回避する企業に対処するため設けられたのがタックスヘイブン対策税制だが、その子会社が、独立企業としての実態を備え、その国・地域で事業活動を行うことに十分な合理性がある場合は、タックスヘイブン対策税制を適用しない規定がある。 判決では、シンガポール子会社の業務内容は相当の規模と実態を備えており、事業を行うのに必要な施設が有り、株主総会・取締役会の開催、役員の職務執行及び会計帳簿の作成・保管がいずれもシンガポール子会社で行われるなど、シンガポールで事業の管理・支配・運営を自ら行っていたこと、その事業が、タックスヘイブン対策税制の対象とする株式の保有等一定の事業に該当しないことがそれぞれ認められるので、同税制の適用除外要件を満たすとした。提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)
2017.10.27 08:49:23