HOME ニュース一覧 法人の黒字申告割合は33.2%と6年連続の上昇

税ニュース

法人の黒字申告割合は33.2%と6年連続の上昇

 国税庁が発表した平成28事務年度の法人税の申告事績によると、今年6月末現在の法人数は前年度から1.0%増の307万9千法人で、うち28年度内に決算期を迎え今年7月末までに申告した法人は、同1.3%増の286万1千法人だった。その申告所得金額は同3.2%増の63兆4749億円と7年連続で増加し過去最高額となったが、申告税額の総額は同▲1.3%減の11兆2372億円で7年ぶりに減少した。

 法人の黒字申告件数は95万件(前年対比4.8%増)で、黒字申告割合は前年度に比べ1.1ポイント上昇の33.2%となり、6年連続の増加。黒字申告割合は平成26年度以降3年連続で30%台となった。もっとも、法人の黒字申告割合は、過去最高だった昭和48年度(65.4%)の半分前後の低い数字が、平成5年度から24年も続いていることになり、黒字申告割合は低水準が続いている。

 黒字法人の申告1件あたりでは前年度に比べて▲1.6%減の6679万円となった。一方で、申告欠損金額は同▲13.1%減の11兆9162億円、赤字申告1件あたりの欠損金額も同▲12.8%減の624万円と、ともに減少し、企業業績全体が改善されつつあることがうかがえる。ちなみに、申告欠損金額のピークは平成11年度の33兆2791億円だったので、28年度は約36%まで減少したことになる。

 なお、今年6月末現在の連結法人数は、親法人が1775(前年対比4.5%増)、子法人が1万2681(同5.9%増)の計1万4456法人(同5.7%増)だった。このうち、7月末までに申告した親法人は1681件(同4.6%増)で、その黒字申告割合は前年度に比べ2.5ポイント上昇の63.2%。申告所得金額は同6.1%増の10兆9602億円と増加、申告欠損金額は同▲35.6%減の1兆3234億円と大幅に減少した。

 連結納税での申告書に添付された個々の親法人・子法人の決算内容の届出書をみると、届出件数1万3840件のうち、黒字分は66.8%にあたる9239件、赤字分が4601件だった。つまり、連結納税でなければ、黒字申告割合は6割半ばに達することになる。総個別所得金額も13兆1023億円にのぼる。このように、企業グループ内の個々の法人の所得と欠損を通算して所得が計算できる連結納税の効果は大きいことがうかがえる。

平成28事務年度 法人税等の申告(課税)事績の概要について

提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)



この記事のカテゴリ

関連リンク

傷病手当金と障害厚生年金の併給調整で会計検査院が改善要求

税務・会計に関する情報を毎週無料でお届けしています!

メルマガ登録はこちら


税ニュース
/news/tax/2017/img/img_hojin_01_s.jpg
 国税庁が発表した平成28事務年度の法人税の申告事績によると、今年6月末現在の法人数は前年度から1.0%増の307万9千法人で、うち28年度内に決算期を迎え今年7月末までに申告した法人は、同1.3%増の286万1千法人だった。その申告所得金額は同3.2%増の63兆4749億円と7年連続で増加し過去最高額となったが、申告税額の総額は同▲1.3%減の11兆2372億円で7年ぶりに減少した。 法人の黒字申告件数は95万件(前年対比4.8%増)で、黒字申告割合は前年度に比べ1.1ポイント上昇の33.2%となり、6年連続の増加。黒字申告割合は平成26年度以降3年連続で30%台となった。もっとも、法人の黒字申告割合は、過去最高だった昭和48年度(65.4%)の半分前後の低い数字が、平成5年度から24年も続いていることになり、黒字申告割合は低水準が続いている。 黒字法人の申告1件あたりでは前年度に比べて▲1.6%減の6679万円となった。一方で、申告欠損金額は同▲13.1%減の11兆9162億円、赤字申告1件あたりの欠損金額も同▲12.8%減の624万円と、ともに減少し、企業業績全体が改善されつつあることがうかがえる。ちなみに、申告欠損金額のピークは平成11年度の33兆2791億円だったので、28年度は約36%まで減少したことになる。 なお、今年6月末現在の連結法人数は、親法人が1775(前年対比4.5%増)、子法人が1万2681(同5.9%増)の計1万4456法人(同5.7%増)だった。このうち、7月末までに申告した親法人は1681件(同4.6%増)で、その黒字申告割合は前年度に比べ2.5ポイント上昇の63.2%。申告所得金額は同6.1%増の10兆9602億円と増加、申告欠損金額は同▲35.6%減の1兆3234億円と大幅に減少した。 連結納税での申告書に添付された個々の親法人・子法人の決算内容の届出書をみると、届出件数1万3840件のうち、黒字分は66.8%にあたる9239件、赤字分が4601件だった。つまり、連結納税でなければ、黒字申告割合は6割半ばに達することになる。総個別所得金額も13兆1023億円にのぼる。このように、企業グループ内の個々の法人の所得と欠損を通算して所得が計算できる連結納税の効果は大きいことがうかがえる。
2017.10.23 09:12:34