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審査請求段階で初めて主張した追加経費の一部の損金性を認容

 審査請求に至って初めて更に認められるべき経費支出がある旨主張された事件を巡って国税不服審判所は、請求人から業務関連性の立証がある支出は損金に算入されるものの、請求人からその立証がない支出は損金に算入されないと指摘した上で、決定処分において損金に含まれていないと主張した経費のうち一部については損金に算入することが客観的に認められると判断、原処分を一部取り消す裁決を言い渡した。

 この事件は、不動産の賃貸、売買及び管理等を目的とする法人(審査請求人)が法人税等の確定申告書を提出しなかったところ、原処分庁が請求人の代表者等の名義の建物を賃貸したことにより生じた所得に係る法人税等の決定処分等をしてきたため、請求人側が消費税及び地方消費税の各決定通知書の理由の提示に不備があり、また、原処分段階で損金として認められた経費とは別に損金に算入されるべきものがあるなどと主張して、原処分の取消しを求めて審査請求したという事案である。

 原処分庁側は当然、決定処分に係る不動産賃貸事業の所得の計算において損金に算入された経費以外に、追加して損金の額に算入すべき追加経費はないと主張して、審査請求の棄却を求めた。

 これに対して裁決は、請求人が総勘定元帳等その他の帳簿書類等を一切作成しておらず、決定処分を受けた後、審査請求に至って初めて追加経費があると主張して、その追加経費に係る証拠として領収証等を審判所に提出したものであるところ、その一部は請求人の不動産賃貸事業に関連して支出したものと客観的に認められることから損金に算入することができると認定。

 しかし、それ以外の領収証等に係る支出は、業務との関連性の立証等が請求人からはないため損金該当性を認めることはできないと指摘して、一部取消しという裁決結果になった。つまり、認定された一部の追加経費については物件の賃貸・管理等をする上で必要なものであると客観的に判断でき、業務に関連性があり、業務遂行上必要なものであると認められることから、損金に算入されるという判断をしたわけだ。

                        (2016.11.07国税不服審判所裁決)

提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)



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3月31日更新

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 審査請求に至って初めて更に認められるべき経費支出がある旨主張された事件を巡って国税不服審判所は、請求人から業務関連性の立証がある支出は損金に算入されるものの、請求人からその立証がない支出は損金に算入されないと指摘した上で、決定処分において損金に含まれていないと主張した経費のうち一部については損金に算入することが客観的に認められると判断、原処分を一部取り消す裁決を言い渡した。 この事件は、不動産の賃貸、売買及び管理等を目的とする法人(審査請求人)が法人税等の確定申告書を提出しなかったところ、原処分庁が請求人の代表者等の名義の建物を賃貸したことにより生じた所得に係る法人税等の決定処分等をしてきたため、請求人側が消費税及び地方消費税の各決定通知書の理由の提示に不備があり、また、原処分段階で損金として認められた経費とは別に損金に算入されるべきものがあるなどと主張して、原処分の取消しを求めて審査請求したという事案である。 原処分庁側は当然、決定処分に係る不動産賃貸事業の所得の計算において損金に算入された経費以外に、追加して損金の額に算入すべき追加経費はないと主張して、審査請求の棄却を求めた。 これに対して裁決は、請求人が総勘定元帳等その他の帳簿書類等を一切作成しておらず、決定処分を受けた後、審査請求に至って初めて追加経費があると主張して、その追加経費に係る証拠として領収証等を審判所に提出したものであるところ、その一部は請求人の不動産賃貸事業に関連して支出したものと客観的に認められることから損金に算入することができると認定。 しかし、それ以外の領収証等に係る支出は、業務との関連性の立証等が請求人からはないため損金該当性を認めることはできないと指摘して、一部取消しという裁決結果になった。つまり、認定された一部の追加経費については物件の賃貸・管理等をする上で必要なものであると客観的に判断でき、業務に関連性があり、業務遂行上必要なものであると認められることから、損金に算入されるという判断をしたわけだ。                        (2016.11.07国税不服審判所裁決)
2017.08.08 14:25:03