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非居住者の国内不動産に係る賃貸料収入は国内源泉所得に非該当

 非居住者による国内不動産の貸付けに伴う賃貸料収入が国内源泉所得に該当するか、また源泉徴収の免除の要件を満たすか否かの判断が争われた事件で国税不服審判所は、非居住者に対する源泉徴収の免除の適用に関する事業も所得税法上の事業と同一の概念と解するのが相当と指摘した上で、代理人等を通じて行う事業に帰せられる国内源泉所得には該当しないと判断して、審査請求を棄却した。

 この事件は、国内不動産を貸し付けている審査請求人(非居住者)が、不動産の賃貸料等について支払者における所得税等の源泉徴収義務の免除の適用を受けるべく、源泉徴収の免除証明書(所法214①)の交付を申請したところ、原処分庁が非居住者に対する源泉徴収の免除証明書を交付できない旨の通知処分をしてきたため、請求人がその取消しを求めて審査請求したという事案である。

 つまり、非居住者に適用される源泉徴収の免除に関する規定(所法214①三)における事業が、所得税法上の事業と同一の概念に解するのが相当か否かがポイントになった事案でもある。

 裁決はまず、所得税法は居住者の所得金額を計算する際に、事業から生ずる所得と事業に至らない所得を明確に区分して規定しており、非居住者にもそれは準用されると指摘した上で、非居住者に適用される源泉徴収の免除に関する規定における事業の意義も、所得税法の他の規定における事業と同一の概念に解するのが相当と解釈。

 その上で、所得税法上の事業は営利性・有償性の有無、継続性・反復性の有無、自己の危険と計算における企画遂行性の有無、その取引に費やした精神的肉体的労力の程度、人的・物的設備の有無、その取引の目的、その者の職歴、社会的地位・生活状況等々の諸点を総合して社会通念上事業と言い得るか否かによって判断されるべきものと解するのが相当と指摘した。

 しかし、不動産の貸付けの規模や態様から、社会通念上事業と言い得る経済活動と見ることは困難であり、所得税法上事業とはいえないことから、請求人が不動産の貸付けに伴い支払いを受ける賃貸料等は、代理人等を通じて行う事業に帰せられる国内源泉所得には該当しないと判断して棄却した。

(2016.12.20国税不服審判所裁決)

提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)

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2017.07.25 09:30:22