28年度の物納申請件数が140件と2年連続で増加
国税庁が明らかにした平成28年度相続税物納処理状況等によると、同年度の物納申請は140件と前年度に比べて10件ほど増加したことが分かった。相続税について延納によっても金銭で納付することが困難な場合は、納税者の申請によりその納付を困難とする金額を限度に一定の相続財産による物納が認められている。
物納申請件数は、相続税の延納適用者に対し物納に切り替えられる特例措置が実施されていた平成6年に1万6066件とピークを迎えて、それ以降は減少傾向を辿っていたが、平成27年度に6年ぶりに増加に転じ、今回で2年連続の増加となった。140件の申請に係る申請金額は325億円と前年の69億円を大きく上回っているが、その前の年が286億円だったことを考えると前年が少なかったようだ。
一方、同年度の処理状況をみると、前年度からの処理未決件数を含め175件(金額135億円)を処理しており、前年度の件数111件(同46億円)と比べると件数・金額ともに大きく増えている。その処理態様では、65.1%に当たる114件が物納として許可され財務局へ引き渡され、却下が36件、納税者の取下げ等が25件となっている。
これにより、今年3月末の処理未済は、前年度末と比べて35件少ない53件となったものの、金額は大口申請もあり70億円から260億円に大幅に増えている。
提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)