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審判所独自の調査・審理の結果、必要経費性を一部認容

 不動産取得に係る必要経費の該当性が争われた審査請求事件で国税不服審判所は、審判所独自の調査・審理の結果、原処分において認定された金額のほかにも追加認容すべき必要経費の額があると判断、原処分を一部取り消す裁決を言い渡した。

 この事件は、原処分庁が、医師である審査請求人が申告した不動産所得の金額の計算上必要経費に算入した支出の一部は必要経費に該当せず、また医師としての健康診断の業務に係る報酬を雑所得に該当すると判断して更正処分等をしてきたのが発端。

 そこで請求人が、原処分庁側には、1)原処分に係る調査手続きの違法、2)更正の理由付記の不備、さらに3)不動産所得及び雑所得に係る必要経費の認定の誤り――があるとして、その取消しを求めて審査請求したという事案である。当然、請求人側は修繕費等及び旅費・交通費等の各支出が、それぞれ不動産所得の金額及び雑所得の金額の計算上必要経費に算入すべきである旨主張して、原処分の取消しを求めたわけだ。

 しかし裁決は、請求人は、不動産所得について、主張を裏付ける証拠書類等の提示及び説明を原処分調査時及び異議調査時にもしておらず、また、審判所の再三の求めにも応じず、主張を裏付ける証拠書類等をほとんど提出しなかったと指摘。そのため、このような状況の下で当審判所としては、修繕費等及び旅費・交通費等についての支出の事実の有無、各支出が請求人の不動産所得を生ずべき業務と直接の関係を持ち、かつ、業務の遂行上必要なものであるか否か、その他必要経費に算入すべき支出の有無について主に原処分関係資料に基づいてその適否を判断するほかないという考えを示した。

 そこで、これらの資料等を調査した結果、請求人が主張する各支出については原処分額算定の際に誤りがあった一部を除き、必要経費には算入できない指摘。また、雑所得の必要経費についても原処分庁認定額を不相当とする理由はないとして、請求人側の主張を斥けている。調査時等に証拠書類等の提示又は説明がなかったものの、審判所独自の調査・審理の結果、一部の支出について必要経費性を認容したことにこの事件のポイントがあるといえる。

                        (2016.11.01国税不服審判所裁決)

提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)

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2月19日更新

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 不動産取得に係る必要経費の該当性が争われた審査請求事件で国税不服審判所は、審判所独自の調査・審理の結果、原処分において認定された金額のほかにも追加認容すべき必要経費の額があると判断、原処分を一部取り消す裁決を言い渡した。 この事件は、原処分庁が、医師である審査請求人が申告した不動産所得の金額の計算上必要経費に算入した支出の一部は必要経費に該当せず、また医師としての健康診断の業務に係る報酬を雑所得に該当すると判断して更正処分等をしてきたのが発端。 そこで請求人が、原処分庁側には、1)原処分に係る調査手続きの違法、2)更正の理由付記の不備、さらに3)不動産所得及び雑所得に係る必要経費の認定の誤り――があるとして、その取消しを求めて審査請求したという事案である。当然、請求人側は修繕費等及び旅費・交通費等の各支出が、それぞれ不動産所得の金額及び雑所得の金額の計算上必要経費に算入すべきである旨主張して、原処分の取消しを求めたわけだ。 しかし裁決は、請求人は、不動産所得について、主張を裏付ける証拠書類等の提示及び説明を原処分調査時及び異議調査時にもしておらず、また、審判所の再三の求めにも応じず、主張を裏付ける証拠書類等をほとんど提出しなかったと指摘。そのため、このような状況の下で当審判所としては、修繕費等及び旅費・交通費等についての支出の事実の有無、各支出が請求人の不動産所得を生ずべき業務と直接の関係を持ち、かつ、業務の遂行上必要なものであるか否か、その他必要経費に算入すべき支出の有無について主に原処分関係資料に基づいてその適否を判断するほかないという考えを示した。 そこで、これらの資料等を調査した結果、請求人が主張する各支出については原処分額算定の際に誤りがあった一部を除き、必要経費には算入できない指摘。また、雑所得の必要経費についても原処分庁認定額を不相当とする理由はないとして、請求人側の主張を斥けている。調査時等に証拠書類等の提示又は説明がなかったものの、審判所独自の調査・審理の結果、一部の支出について必要経費性を認容したことにこの事件のポイントがあるといえる。                        (2016.11.01国税不服審判所裁決)
2017.07.11 11:58:44