会計検査院 税金のムダ遣い3千億円を是正 基金の使い残しが大半
税の無駄遣いなどを調査する会計検査院は6月29日、検査院の指摘に基づいた改善措置によって約3千億円の税金の無駄遣いが是正されたと発表した。その大半は、公益的な事業を行うために設立された基金を対象としたもので、使われずに留保されていたお金を国庫に返納した額が6割以上を占めている。
検査院の発表によれば、昨年に是正された税の無駄遣いは551件、3039億円となった。是正の内容は、独立行政法人の不要財産の国庫納付や、契約方式や算定基準を改善することによる経費削減、過大交付された補助金の返納など幅広い。1件の是正額が10億円を超えるものも9件あった。
特に是正額が大きかったのが、国が設立し、国庫補助金などを原資として公益事業を行う基金法人だ。本来ならば事業内容の変更などにより不要となった基金は適時国庫に返納することが求められるが、使用見込みがないにもかかわらず基金内に多額の補助金を溜め込んでいた例が多数確認された。検査院の指摘に基づいて見直しを行ったところ、44の基金から計1966億円が国庫に返納されたという。同様に都道府県に設置された基金についても是正が行われ、95基金から計515億円が返納された。
検査院によれば、2015年度に見つかった税金の無駄遣いは1兆2189億円に上る。毎年検査院の指摘に基づいて税の無駄遣いの是正がされるが、必ずしも指摘すべてについて検証が行われ、実際に改善されるわけではないため、無駄遣いのどれほどが見直されるかは不透明と言わざるを得ない。
提供元:エヌピー通信社