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国税不服審判所への審査請求が19%増の2488件と大幅増加

 国税庁・国税不服審判所が公表した平成28年度における再調査の請求や審査請求、訴訟の概要によると、国税不服審判所に対する審査請求が大幅に増加したことが分かった。国税に関する法律に基づく処分についての納税者の救済制度には、処分庁に対する再調査の請求(改正前:異議申立て)及び国税不服審判所長に対する審査請求という行政上の救済制度と、裁判所に対して訴訟を提起して処分の是正を求める司法上の救済制度がある。

 平成26年6月に行政不服審査法の抜本的な見直しが行われるとともに、国税通則法の改正により、国税不服申立制度についても改正が行われ、「異議申立て」は「再調査の請求」へ名称変更され、平成28年4月1日以後に行われる処分に係る不服申立てから適用されている。

 その再調査の請求の発生件数は、消費税(58%減の484件)を始めほとんどの税目が減少したことから、全体では前年度から48%減の1674件となった。処理件数は、「取下げ等」275件、「却下」208件、「棄却」1199件、「一部取消」100件、「全部取消」23件の合計1805件で。納税者の主張が一部でも認められたのは計123件となり、処理件数全体に占める割合(救済割合)は前年度を1.6ポイント下回る6.8%だった。

 また、国税不服審判所への審査請求の発生件数は、法人税等(51%増の504件)などほとんどの税目が増加したことから、19%増の2488件と大幅に増加した。処理件数は、「取下げ」269件、「却下」191件、「棄却」1258件、「一部取消」192件、「全部取消」49件の合計1959件。納税者の主張が何らかの形で認められた救済割合は同4.3ポイント増の12.3%と大きく上昇した。

 一方、訴訟となった発生件数は、徴収関係(38%増の54件)が増えたものの、所得税(6%減の80件)や相続・贈与税(22%減の28件)などが減少したことから、前年度を0.5%下回る230件だった。終結件数は、「取下げ等」25件、「却下」20件、「棄却」189件、「国の一部敗訴」5件、「同全部敗訴」6件の合計245件(前年度比7%減)。国側の敗訴(納税者勝訴)割合は同3.9ポイント減の4.5%となっている。

平成28年度における再調査の請求の概要

同審査請求の概要

提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)

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 国税庁・国税不服審判所が公表した平成28年度における再調査の請求や審査請求、訴訟の概要によると、国税不服審判所に対する審査請求が大幅に増加したことが分かった。国税に関する法律に基づく処分についての納税者の救済制度には、処分庁に対する再調査の請求(改正前:異議申立て)及び国税不服審判所長に対する審査請求という行政上の救済制度と、裁判所に対して訴訟を提起して処分の是正を求める司法上の救済制度がある。 平成26年6月に行政不服審査法の抜本的な見直しが行われるとともに、国税通則法の改正により、国税不服申立制度についても改正が行われ、「異議申立て」は「再調査の請求」へ名称変更され、平成28年4月1日以後に行われる処分に係る不服申立てから適用されている。 その再調査の請求の発生件数は、消費税(58%減の484件)を始めほとんどの税目が減少したことから、全体では前年度から48%減の1674件となった。処理件数は、「取下げ等」275件、「却下」208件、「棄却」1199件、「一部取消」100件、「全部取消」23件の合計1805件で。納税者の主張が一部でも認められたのは計123件となり、処理件数全体に占める割合(救済割合)は前年度を1.6ポイント下回る6.8%だった。 また、国税不服審判所への審査請求の発生件数は、法人税等(51%増の504件)などほとんどの税目が増加したことから、19%増の2488件と大幅に増加した。処理件数は、「取下げ」269件、「却下」191件、「棄却」1258件、「一部取消」192件、「全部取消」49件の合計1959件。納税者の主張が何らかの形で認められた救済割合は同4.3ポイント増の12.3%と大きく上昇した。 一方、訴訟となった発生件数は、徴収関係(38%増の54件)が増えたものの、所得税(6%減の80件)や相続・贈与税(22%減の28件)などが減少したことから、前年度を0.5%下回る230件だった。終結件数は、「取下げ等」25件、「却下」20件、「棄却」189件、「国の一部敗訴」5件、「同全部敗訴」6件の合計245件(前年度比7%減)。国側の敗訴(納税者勝訴)割合は同3.9ポイント減の4.5%となっている。
2017.06.26 13:02:36