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生計一の親族ではないことを理由に小規模宅地特例の適用を否認

 区分登記された建物のそれぞれが独立して生活できる構造になっている場合に、小規模宅地評価減特例の適用が認められるか否かの判断が争われた事件で国税不服審判所は、被相続人が居住していた建物の区分所有に係る部分の敷地のみが居住の用に供していた宅地に当たり、被相続人と生計を一にしていない者が居住していた建物部分の敷地は居住の用に供されていた宅地には当たらないと判断、審査請求を棄却した。

 この事件は、遺産分割の確定を踏まえて、被相続人の母から相続した宅地に小規模宅地等の評価減特例を適用して相続税の更正の請求をしたところ、原処分庁が同特例を適用した宅地の一部は適用要件を満たしていないことを理由に更正処分をしてきたため、相続人らが原処分の全部取消しを求めて審査請求したという事案である。

 ちなみに、1階の専有部分と2階の専有部分が区分登記され、相続開始時は1階部分を被相続人と共有、2階部分を兄が単独所有するという関係にあった。つまり、宅地全体(建物の1階部分の敷地に相当する宅地で、弟が相続した分以外の部分)に特例適用が認められるか否かが争点になった事案で、2階部分に居住していた兄が、1階部分に居住していた被相続人及び弟の面倒を見ていたという事情を踏まえ、建物全体が被相続人等の居住用に供されていた家屋に該当し、被相続人と同居していた親族に該当することから、宅地全体が特定居住用宅地等として評価減特例が適用できる旨主張して、全部取消しを求めたわけだ。

 裁決は、構造上1階部分及び2階部分に区分でき、それぞれが独立して居住用に供することができる設備・構造を備えて区分登記されている実状から、被相続人が居住用に供していた家屋は建物の1階部分に限られると認定。また、実際の生活状況を見ても、兄が被相続人と同居していた親族、かつ生計を一にしていた親族とは認められないとも認定。結局、被相続人と同居していた弟が相続した部分のみが特定居住用宅地等に該当すると判断して、その他の部分への評価減特例の適用を否定する裁決を言い渡した。

                         (2016.09.29国税不服審判所裁決)

提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)

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3月10日更新

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 区分登記された建物のそれぞれが独立して生活できる構造になっている場合に、小規模宅地評価減特例の適用が認められるか否かの判断が争われた事件で国税不服審判所は、被相続人が居住していた建物の区分所有に係る部分の敷地のみが居住の用に供していた宅地に当たり、被相続人と生計を一にしていない者が居住していた建物部分の敷地は居住の用に供されていた宅地には当たらないと判断、審査請求を棄却した。 この事件は、遺産分割の確定を踏まえて、被相続人の母から相続した宅地に小規模宅地等の評価減特例を適用して相続税の更正の請求をしたところ、原処分庁が同特例を適用した宅地の一部は適用要件を満たしていないことを理由に更正処分をしてきたため、相続人らが原処分の全部取消しを求めて審査請求したという事案である。 ちなみに、1階の専有部分と2階の専有部分が区分登記され、相続開始時は1階部分を被相続人と共有、2階部分を兄が単独所有するという関係にあった。つまり、宅地全体(建物の1階部分の敷地に相当する宅地で、弟が相続した分以外の部分)に特例適用が認められるか否かが争点になった事案で、2階部分に居住していた兄が、1階部分に居住していた被相続人及び弟の面倒を見ていたという事情を踏まえ、建物全体が被相続人等の居住用に供されていた家屋に該当し、被相続人と同居していた親族に該当することから、宅地全体が特定居住用宅地等として評価減特例が適用できる旨主張して、全部取消しを求めたわけだ。 裁決は、構造上1階部分及び2階部分に区分でき、それぞれが独立して居住用に供することができる設備・構造を備えて区分登記されている実状から、被相続人が居住用に供していた家屋は建物の1階部分に限られると認定。また、実際の生活状況を見ても、兄が被相続人と同居していた親族、かつ生計を一にしていた親族とは認められないとも認定。結局、被相続人と同居していた弟が相続した部分のみが特定居住用宅地等に該当すると判断して、その他の部分への評価減特例の適用を否定する裁決を言い渡した。                         (2016.09.29国税不服審判所裁決)
2017.06.14 10:01:30