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買取申出書の提出がない以上、収用特例の要件を欠くと判示、棄却

 収用に伴って取得した補償金に係る譲渡所得の申告の際に5000万円特別控除が適用できるか否かの判断が争われた事件で東京地裁(舘内比佐志裁判長)は、買取りの申出がされた日から6ヵ月を経過しても収用交換等による譲渡がされなかったことが明らかであると認定した上で、収用特例の要件を充足していないと判示、訴えを棄却した。

 この事件は、土地の収用に伴って取得した補償金に対して特別控除の適用を受けようとする旨の修正申告をしたのが発端。これに対して原処分庁が、最初に買取り等の申出があった日から6ヵ月を経過した日までに収用交換等がされなかったと判断した上で特別控除の適用を否認、所得税の更正処分及び賦課決定処分をしてきたため、納税者側が更正処分のうち修正申告における納付すべき税額を超える部分及び賦課決定処分の取消しを求めて提訴したという事案である。

 つまり納税者側は、収用等の裁決が同特例が定める買取り等の申出に該当しないとしても、自治体による収用裁決の申請が買取り等の申出に該当し、申請が行われた日から6ヵ月経過後に収用等による譲渡がされても、信義則上許容されるべきであり、手続的要件も実質的に充足しているから特例の適用は認められるべきであると主張して、原処分の取消しを求めたわけだ。

 判決はまず、収用特例(措法33の4)は確定申告書等に特例の適用を受ける旨の記載があり、かつ公共事業施行者から交付された買取り等の申出があったことを証する書類等の添付があった場合に限って同特例を適用できる旨規定し、確定申告書等に特例の適用を受ける旨の記載がなく、公共事業施行者から交付を受けた買取り等の申出があったことを証する書類の添付等がない場合でも、そのことにやむを得ない事情があれば、公共事業施行者からの買取り等の申出があったことを証する書類等の提出があった場合に限り、特例を適用できる旨定めていると判示。

 にもかかわらず、公共事業施行者から交付を受けた買取り等の申出があった旨を証する書類に該当する買取申出書を修正申告書に添付していないのであるから特例の要件を充足していないと指摘するとともに、その後も買取申出書を提出していない以上、適用の前提を欠いていると判示して棄却した。

               (2016.10.14東京地裁判決、平成27年(行ウ)第681号)

提供元:21C・TFフォーラム

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10月4日更新

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 収用に伴って取得した補償金に係る譲渡所得の申告の際に5000万円特別控除が適用できるか否かの判断が争われた事件で東京地裁(舘内比佐志裁判長)は、買取りの申出がされた日から6ヵ月を経過しても収用交換等による譲渡がされなかったことが明らかであると認定した上で、収用特例の要件を充足していないと判示、訴えを棄却した。 この事件は、土地の収用に伴って取得した補償金に対して特別控除の適用を受けようとする旨の修正申告をしたのが発端。これに対して原処分庁が、最初に買取り等の申出があった日から6ヵ月を経過した日までに収用交換等がされなかったと判断した上で特別控除の適用を否認、所得税の更正処分及び賦課決定処分をしてきたため、納税者側が更正処分のうち修正申告における納付すべき税額を超える部分及び賦課決定処分の取消しを求めて提訴したという事案である。 つまり納税者側は、収用等の裁決が同特例が定める買取り等の申出に該当しないとしても、自治体による収用裁決の申請が買取り等の申出に該当し、申請が行われた日から6ヵ月経過後に収用等による譲渡がされても、信義則上許容されるべきであり、手続的要件も実質的に充足しているから特例の適用は認められるべきであると主張して、原処分の取消しを求めたわけだ。 判決はまず、収用特例(措法33の4)は確定申告書等に特例の適用を受ける旨の記載があり、かつ公共事業施行者から交付された買取り等の申出があったことを証する書類等の添付があった場合に限って同特例を適用できる旨規定し、確定申告書等に特例の適用を受ける旨の記載がなく、公共事業施行者から交付を受けた買取り等の申出があったことを証する書類の添付等がない場合でも、そのことにやむを得ない事情があれば、公共事業施行者からの買取り等の申出があったことを証する書類等の提出があった場合に限り、特例を適用できる旨定めていると判示。 にもかかわらず、公共事業施行者から交付を受けた買取り等の申出があった旨を証する書類に該当する買取申出書を修正申告書に添付していないのであるから特例の要件を充足していないと指摘するとともに、その後も買取申出書を提出していない以上、適用の前提を欠いていると判示して棄却した。               (2016.10.14東京地裁判決、平成27年(行ウ)第681号)
2017.06.07 09:03:30