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特許業務法人の社員は役員に該当すると判示して棄却

 特許業務法人が社員に支給した歩合給が損金算入できるか否かの判断が争われた事件で東京地裁(古田孝夫裁判長)は、社員は使用人兼務役員には該当せず役員に該当すると認定した上で、損金算入が認められる給与のいずれにも該当しないと判示して、特許業務法人の請求を棄却した。

 この事件は、弁理士の特許業務法人が代表社員以外の社員に支給した給与のうち歩合給(実績給及び賞与)を巡り、原処分庁が社員は使用人兼務役員ではなく役員に該当すると認定する一方、損金算入が認められる役員給与には該当しないと判断して更正処分の上、過少申告加算税の賦課決定処分をしてきたため、特許業務法人側が原処分の全部取消しを求めて提訴したという事案である。

 特許業務法人側はまず、社員らが役員ではなく、仮に役員に該当するとしても使用人兼務役員に該当する上、その職務は全て使用人としての職務として行われていると反論するとともに、役員給与の損金算入を特定の形式の給与に限定している法人税法34条1項は、営業の自由(憲法22、29)及び平等原則(憲法14①)に反して違憲・無効であるとも主張して、原処分の取消しを求めた。つまり、社員らの役員の該当性、使用人兼務役員の該当性及び使用人としての職務に対して支給されているものの範囲、さらに法人税法34条1項の合憲性――が争点になった事案である。

 判決はまず、弁理士法に基づく特許業務法人の社員は、法人の経営に従事していると一般的・類型的に評価し得ることから、その地位にある社員らは法人の具体的な職務の内容にかかわらず、役員に該当するという判断を下した。

 また、使用人兼務役員の該当性等についても、特許業務法人の社員は使用人の立場でその職務に従事するものではないと一般的・類型的に評価し得るから、使用人兼務役員には該当しないと認定。さらに、法人税法34条1項の規定は、課税要件等の定めがその立法目的との関連から著しく不合理であることが明らかであるとは認められないという判断から、憲法14条1項、22条、29条等に違反するものではないと判示して、特許業務法人側の主張を悉く斥けた。

               (2017.01.18東京地裁判決、平成26年(行ウ)第533号)

提供元:21C・TFフォーラム



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9月13日更新

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 特許業務法人が社員に支給した歩合給が損金算入できるか否かの判断が争われた事件で東京地裁(古田孝夫裁判長)は、社員は使用人兼務役員には該当せず役員に該当すると認定した上で、損金算入が認められる給与のいずれにも該当しないと判示して、特許業務法人の請求を棄却した。 この事件は、弁理士の特許業務法人が代表社員以外の社員に支給した給与のうち歩合給(実績給及び賞与)を巡り、原処分庁が社員は使用人兼務役員ではなく役員に該当すると認定する一方、損金算入が認められる役員給与には該当しないと判断して更正処分の上、過少申告加算税の賦課決定処分をしてきたため、特許業務法人側が原処分の全部取消しを求めて提訴したという事案である。 特許業務法人側はまず、社員らが役員ではなく、仮に役員に該当するとしても使用人兼務役員に該当する上、その職務は全て使用人としての職務として行われていると反論するとともに、役員給与の損金算入を特定の形式の給与に限定している法人税法34条1項は、営業の自由(憲法22、29)及び平等原則(憲法14①)に反して違憲・無効であるとも主張して、原処分の取消しを求めた。つまり、社員らの役員の該当性、使用人兼務役員の該当性及び使用人としての職務に対して支給されているものの範囲、さらに法人税法34条1項の合憲性――が争点になった事案である。 判決はまず、弁理士法に基づく特許業務法人の社員は、法人の経営に従事していると一般的・類型的に評価し得ることから、その地位にある社員らは法人の具体的な職務の内容にかかわらず、役員に該当するという判断を下した。 また、使用人兼務役員の該当性等についても、特許業務法人の社員は使用人の立場でその職務に従事するものではないと一般的・類型的に評価し得るから、使用人兼務役員には該当しないと認定。さらに、法人税法34条1項の規定は、課税要件等の定めがその立法目的との関連から著しく不合理であることが明らかであるとは認められないという判断から、憲法14条1項、22条、29条等に違反するものではないと判示して、特許業務法人側の主張を悉く斥けた。               (2017.01.18東京地裁判決、平成26年(行ウ)第533号)
2017.05.25 11:00:29