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「規制よりも制度の発展を!」ふるさと納税連合が発足

 福井県や岩手県、山形県など全国27自治体が5月16日、「ふるさと納税の健全な発展を目指す自治体連合」を設立し、「制度本来の趣旨を取り戻すために協調する」と意気込みを語った。ふるさと納税制度をめぐっては、高額な返礼品による自治体間の競争激化や、総務省による返礼品規制を求める要請への対応などで、議論が起きている。
 同連合の発起人には、ふるさと納税制度の提唱者である福井県の西川一誠知事の呼び掛けに応え、岩手、山形の2県、2014年に最多の寄付を集めた長崎・平戸市や、制度開始から毎年多額の寄付を集めている北海道・上士幌町など、全国27市町が名を連ねた。
 設立趣意書では「制度変更や規制を議論するより、制度の理解者を増やし、裾野を広げていくことが必要」と強調。過度な返礼品競争は防ぎつつも、制度の拡大を目指したいという立場を掲げている。参加自治体の成功事例をまとめた事例集を作成するほか、今年度内には「ふるさと納税未来大賞(仮称)」を設けて、優れた取り組みを行った自治体を表彰するという。今後も同じ考えを持つ自治体の参加を募っていく方針だ。
 連合設立の背景には、徐々に強まりつつある総務省からの締め付けによって制度が萎縮することを避けたい自治体の思惑がある。西川知事は記者会見で「総務省の通知のあるなしにかかわらず、制度は落ち着くところに落ち着く」と総務省をけん制し、過度な締め付けは必要ないとの見方を示した。
 もっとも、高額な返礼品を使った寄付争奪戦に対しては、「仁義なき戦いになっている」(黒田成彦・平戸市長)と否定的な姿勢だ。高額な返礼品を目玉にこれから寄付を集めていきたいと考える自治体からは反発が起きる可能性も否定できず、制度をめぐっての対応は今後も二分されそうだ。

提供元:エヌピー通信社

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 福井県や岩手県、山形県など全国27自治体が5月16日、「ふるさと納税の健全な発展を目指す自治体連合」を設立し、「制度本来の趣旨を取り戻すために協調する」と意気込みを語った。ふるさと納税制度をめぐっては、高額な返礼品による自治体間の競争激化や、総務省による返礼品規制を求める要請への対応などで、議論が起きている。 同連合の発起人には、ふるさと納税制度の提唱者である福井県の西川一誠知事の呼び掛けに応え、岩手、山形の2県、2014年に最多の寄付を集めた長崎・平戸市や、制度開始から毎年多額の寄付を集めている北海道・上士幌町など、全国27市町が名を連ねた。 設立趣意書では「制度変更や規制を議論するより、制度の理解者を増やし、裾野を広げていくことが必要」と強調。過度な返礼品競争は防ぎつつも、制度の拡大を目指したいという立場を掲げている。参加自治体の成功事例をまとめた事例集を作成するほか、今年度内には「ふるさと納税未来大賞(仮称)」を設けて、優れた取り組みを行った自治体を表彰するという。今後も同じ考えを持つ自治体の参加を募っていく方針だ。 連合設立の背景には、徐々に強まりつつある総務省からの締め付けによって制度が萎縮することを避けたい自治体の思惑がある。西川知事は記者会見で「総務省の通知のあるなしにかかわらず、制度は落ち着くところに落ち着く」と総務省をけん制し、過度な締め付けは必要ないとの見方を示した。 もっとも、高額な返礼品を使った寄付争奪戦に対しては、「仁義なき戦いになっている」(黒田成彦・平戸市長)と否定的な姿勢だ。高額な返礼品を目玉にこれから寄付を集めていきたいと考える自治体からは反発が起きる可能性も否定できず、制度をめぐっての対応は今後も二分されそうだ。
2017.05.26 10:11:20