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相続財産の現金の申告漏れは隠ぺいによるものと認定、棄却

 課税要件事実の隠ぺい、仮装に基づいて相続税の過少申告をしたものか否かの判断が争われた事件で国税不服審判所は、重加算税の賦課要件である「隠ぺい」があったと認定して、審査請求を棄却する裁決を言い渡した。

 この事件は、相続税に係る税務調査を受けた審査請求人らが、生命保険金等の申告漏れを指摘され、修正申告をしたのが発端となった。

 この修正申告に対して原処分庁が、修正申告に基づいて新たに納付すべきこととなった税額を基礎に重加算税及び過少申告加算税の賦課決定処分を行うとともに、請求人の一人に対し、修正申告に係る配偶者軽減特例(相法19の2(5))の税額軽減額が減少する旨の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分をしてきたことから、請求人の一方が重加算税の賦課決定処分のうち過少申告加算税相当額を超える部分の取消しを求めるとともに、もう一方の請求人が更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分の全部取消しを求めて審査請求したという事案である。

 請求人側は関与税理士に現金の存在及びその大まかな額の分かる資料を提出しており、申告すべき現金の額を関与税理士の税務的な判断に任せていたことから、重加算税の賦課要件である「隠ぺい」と言われるような行為はなかった旨主張して原処分の全部取消しを求めたわけだ。

 しかし裁決は、請求人は被相続人の財産を管理しており、相続開始日における多額の現金が相続財産に当たることを知っていたことなどから、当初から現金を過少に申告することを意図し、その意図に基づき多額の現金の存在につき関与税理士に敢えて秘匿し、手元に残っていた現金は存在しない旨を示す書面を関与税理士に提出するなどして、結果的に、関与税理士に現金を過少に記載した申告書を作成させて原処分庁に提出したものであると認定した。

 その結果、請求人は、当初から過少に申告することを意図し、その意図を外部からうかがい得る特段の行動をした上で、その意図に基づく過少申告をしたものと認められるから、現金に関する申告漏れは重加算税の賦課要件である「隠ぺい」によるものと認められると判断、審査請求を棄却した。

(2016.04.19国税不服審判所裁決)

提供元:21C・TFフォーラム

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3月31日更新

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 課税要件事実の隠ぺい、仮装に基づいて相続税の過少申告をしたものか否かの判断が争われた事件で国税不服審判所は、重加算税の賦課要件である「隠ぺい」があったと認定して、審査請求を棄却する裁決を言い渡した。 この事件は、相続税に係る税務調査を受けた審査請求人らが、生命保険金等の申告漏れを指摘され、修正申告をしたのが発端となった。 この修正申告に対して原処分庁が、修正申告に基づいて新たに納付すべきこととなった税額を基礎に重加算税及び過少申告加算税の賦課決定処分を行うとともに、請求人の一人に対し、修正申告に係る配偶者軽減特例(相法19の2(5))の税額軽減額が減少する旨の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分をしてきたことから、請求人の一方が重加算税の賦課決定処分のうち過少申告加算税相当額を超える部分の取消しを求めるとともに、もう一方の請求人が更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分の全部取消しを求めて審査請求したという事案である。 請求人側は関与税理士に現金の存在及びその大まかな額の分かる資料を提出しており、申告すべき現金の額を関与税理士の税務的な判断に任せていたことから、重加算税の賦課要件である「隠ぺい」と言われるような行為はなかった旨主張して原処分の全部取消しを求めたわけだ。 しかし裁決は、請求人は被相続人の財産を管理しており、相続開始日における多額の現金が相続財産に当たることを知っていたことなどから、当初から現金を過少に申告することを意図し、その意図に基づき多額の現金の存在につき関与税理士に敢えて秘匿し、手元に残っていた現金は存在しない旨を示す書面を関与税理士に提出するなどして、結果的に、関与税理士に現金を過少に記載した申告書を作成させて原処分庁に提出したものであると認定した。 その結果、請求人は、当初から過少に申告することを意図し、その意図を外部からうかがい得る特段の行動をした上で、その意図に基づく過少申告をしたものと認められるから、現金に関する申告漏れは重加算税の賦課要件である「隠ぺい」によるものと認められると判断、審査請求を棄却した。(2016.04.19国税不服審判所裁決)
2017.04.11 15:16:11