ビッグデータの活用
カテゴリ:03.ニュースアンテナ 
作成日:01/14/2014  提供元:税務研究会・税研情報センター



 ビッグデータの活用で、業務効率化・付加価値向上など高い成長の可能性があります。


●活用事例




 「ビッグデータ」とは何か、の明確な定義はありませんが、多くの場合、ビッグデータとは単に「量が多いデータ」というだけでなく、「事業に役立つ知見を導出するためのデータ」を指します。従来のデータベース管理システムでは、ビッグデータを処理分析することは困難とされていましたが、近年、ビッグデータを高速かつ簡単に分析できる技術が登場し、ビッグデータを活用すれば、これまで予測できなかった新たなパターンやルールが発見できることが明らかになりました。
 

 ビッグデータを活用することによって、1)販売促進、2)製品開発、3)保守・メンテナンス・サポート、4)コンプライアンス、5)業務基盤・社会インフラの運用などの効果が得られると期待されています。

 具体的な活用事例としては、農業分野で栽培土壌や農産物の成分データ、生産状況のデータを管理することによって品質の安定化を実現している事例、中小小売業で顧客が持つポイントカードの購買履歴分析によって購買誘引を図る事例、製造業で納入製品の稼働状況を分析することによって、新たな価値を生み出す事例など、様々な事例があります。


●ビッグデータの課題

 ビッグデータを活用することの意義は、ICT(情報通信技術)の進展に伴い多種多様なデータの生成・収集・蓄積をリアルタイムで行うことが可能となり、そのようなデータを分析することで未来の予測や異変の察知を行い、利用者個々のニーズに即したサービスの提供、業務運営の効率化、新産業の創出等が可能となる点にあります。ビッグデータの流通量は2005年から2012年の7年間で5.5倍と高い伸びを示しており、その活用範囲は、業種、企業規模、用途のいずれにおいても裾野が広がってきました。

 ビッグデータの活用に関する課題としては、1)データの生成・収集・蓄積の在り方や管理、2)データの流通・連携といった情報伝達のインフラ整備、3)個人情報保護法への対応、などがあります。特に膨大な個人情報の活用にあたって、匿名化をめぐる技術的課題が残るものの、政府もビッグデータ活用の法整備に着手しました。

 ビッグデータの活用は多くの経済効果・価値をもたらすものと考えられ、企業業績の向上、新規市場の開拓など様々なプラスの効果を生み出すものと期待されています。

【ニュースアンテナ1月号 税研情報センター】