高等教育進学サポートプラン
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作成日:03/15/2017  提供元:税務研究会・税研情報センター



 大学等進学を後押しする国の政策が公表されました。

●サポートプランの概要
 文部科学省は、「一億総活躍社会実現のための奨学金事業の大幅拡充」として、高等教育進学サポートプランを公表しました。サポートプランは、次のようなメニューで進学を後押しします。

(1)給付型奨学金の創設

 給付型奨学金は、在籍する高校長による推薦により、非課税世帯で一定の学力・資質要件を満たす学生を対象とし、月額2~ 4万円(国公私別や通学形態による)が給付されます。平成29年度進学者は先行実施となり、私立・自宅外生と児童養護施設退所者等のみが対象となります。

(2)入学時の負担をサポート

 日本学生支援機構(JASSO)が児童養護施設退所者等に対し、一時金として24万円を給付します。その他にもJASSOの「入学時特別増額貸与奨学金」(有利子)、都道府県社会福祉協議会の「生活福祉資金貸付」(無利子)、都道府県等の「母子父子寡婦福祉資金貸付金」(無利子)があります。

(3)成績基準

 低所得者世帯は無利子奨学金の成績基準を実質的に撤廃し、従来の要件(評定平均値3.5以上)を満たさなくても借りられるようになります。

(4)無利子奨学金の貸与

 貸与基準を満たす希望者全員が無利子奨学金を借りられるようになります。

(5)相談窓口の設置など情報提供を強化

 高校等に「スカラシップ・アドバイザー(仮称)」を派遣したり、相談窓口を開設します。

●負担軽減策の拡充

 返還負担軽減の大幅拡充策として、返還月額が卒業後の所得に連動する所得連動返還型奨学金制度が新たに導入されます。年収が144万円以下の場合、最低返還月額が2,000円からになる制度です。また、本人の年収が300万円以下の場合は、申請により通算10年の返還猶予が可能となります(無利子奨学金を借りる場合には、平成29年度新規貸与者から開始)。

 低所得者向け減額返還制度の拡充として、返還が困難なときには、最長10年間、返還月額が2分の1に減額されます。さらに減額幅を大きくする制度改正も検討中となっています。

 有利子奨学金を借りる場合には、市場の低金利の恩恵を受けやすくし、返還利子負担を軽減するために、貸与利率の下限が引き下げられます(従来の下限0.1%から0.01%に見直し)。