地域経済分析システム(RESAS)の利活用
カテゴリ:03.ニュースアンテナ 
作成日:09/15/2016  提供元:税務研究会・税研情報センター



 ビッグデータを活用したまちづくりやビジネスの創出が始まっています。

●地域経済分析システム(RESAS)

 経済産業省では、自治体による地域創生の取組を情報面から支援するために、内閣官房(まち・ひと・しごと創生本部事務局)と連携し、平成27年4月21日から産業構造や人口動態、人の流れなどに関する官民のビッグデータを集約し、可視化するシステムとして「地域経済分析システム(RESAS:リーサス)を提供しています。RESASは、「産業」「観光」「人口」「自治体比較」など7つのマップで構成されています。

 産業マップでは、産業構造の全体像を表しており、産業が生み出す付加価値の大きさを業種毎の面積の大きさで表しています。観光マップは、携帯電話の位置情報を利用して、人の移動を「見える化」したものです。人口マップは、地域の人口のこれまでの推移やこれからの見込みについて、年代別に把握したり、自然増減・社会増減に分けて把握することができます。自治体比較マップは、様々な指標に基づき、全国約1,788ある自
治体の中でのランキングや他の自治体との比較を「見える化」したものです。

 RESAS提供開始から1年が経過し、この間、全国1,788の自治体(47都道府県、1,718市町村及び東京23区)のうち1,706の自治体で利用されており、人口ビジョンや地方版総合戦略の策定にRESASを用いるなど、データに基づく政策・施策の検討・立案が始まっています。

●利活用事例

 RESASでは公的な情報に加えて民間企業のデータも幅広く収集し、産業構造の変化といったマクロな分析はもちろん、観光客の滞在時間から人気スポットを探ったり、地域の商店街にある店舗や事業所の移り変わりを追うようなミクロな分析もできます。
 RESASを使った自治体の取組事例として、北海道札幌市ではIT産業高度化の方向性検討を分析し、地域のIT産業の優位性や課題を把握するとともに、食品加工関係に強みを有する近隣の自治体を特定し、ITを活用した新たな製品やサービスの高付加価値化を支援して、「食×IT」などの産業間連携を促進しました。群馬県では、首都圏に近い等の地理的優位性を活かした企業誘致を推進する中で、RESASを用いて候補企業を抽出し分析するなど、効率的・具体的な企業誘致を実施しています。島根県松江市は、2県5市にまたがる広域観光連携の可能性の分析を行い、インバウンド観光戦略の5市連携事業として外国人向けPR事業に着手しました。

参考資料:経済産業省HP