観光立国アクションプラン
カテゴリ:03.ニュースアンテナ 
作成日:11/15/2013  提供元:税務研究会・税研情報センター



 2020年東京オリンピック開催決定を追い風に、観光立国の実現に向けて弾みがついています。

●インバウンドの推進




 観光は日本経済にとって極めて重要な成長分野として、観光立国推進閣僚会議が6月11日に、ビザの要件緩和や日本ブランドの発信などに取り組む「観光立国実現に向けたアクション・プログラム」を策定しました。今年は、ビジット・ジャパン事業がスタートして10周年を迎え、さらに2020年東京オリンピック開催が決定されたことを受けて、初の訪日外国人客1,000万人達成を目指しオールジャパンで取組を強化しています。
 

 日本政府観光局(JNTO)によると、今年7月の訪日外客数(推計値)は前年同月比で18.4%増の約100万3,000人となり、単月で過去最高の100万人台を記録しました。国別にみると、東南アジア諸国のビザ緩和が追い風となり7月1日にビザ免除が開始されたタイが前年同月比84.7%増、マレーシアは同25.2%増と特に好調な結果となりました。

 観光立国実現に向けたプログラムとして、(1)日本ブランドの作り上げと発信、(2)ビザ要件の緩和等による訪日旅行の促進、(3)外国人旅行者の受入の改善、(4)国際会議等(MICE)の誘致や投資の促進、を重点項目としています。また、インバウンド推進のための具体的な取組として、ファッション、アニメ、伝統文化といった「クールジャパン」と一体となった日本ブランドの発信やASEAN加盟国向けのビザ要件緩和等があります。


●MICEの誘致

 アクション・プログラムでインバウンドの推進とともに重要な柱として挙げられているのが、国際会議等(MICE)の誘致や投資の促進です。MICE(マイス)とは、企業などの会議(Meeting)、企業などの報奨・研修旅行(Incentive)、各種団体の大会・会議や学会(Convention)、展示会・見本市やイベント(Exhibition、Event)、の各分野を総称したもので、ビジネス性の高い会合や旅行全般を指します。

 国際団体連合(UIA)の統計によると、2011年の日本の国際会議開催件数は598件で、世界では第3位、アジア・オセアニアで第2位を記録しています。アジア・太平洋地域の国際会議の開催件数では、2012年は1位が日本、以下中国、オーストラリアと続きます。

 日本のMICE国際競争力を高めていくためには、一定規模以上のMICE施設を国内で整備していくことや都市としてのブランドを向上させることが必要不可欠ですが、東京オリンピック開催決定を追い風に9月以降、開催規模4,000名以上の大型国際会議の日本誘致が続々と決定し、2010年までに2,000万人の訪日外国人旅行者達成という目標にも弾みがついています。

【ニュースアンテナ11月号 税研情報センター】