ストレスチェックの義務化
カテゴリ:03.ニュースアンテナ 
作成日:09/17/2015  提供元:税務研究会・税研情報センター



 今年の12月よりストレスチェックの実施が事業者に義務付けられます。

●ストレスチェック制度の概要




 労働安全衛生法の一部改正により、平成27年12月1日より、メンタル不調者の未然防止を目的として、医師、保健師等による検査(ストレスチェック)の実施と面接指導の実施等が事業者に義務付けられます。ストレスチェックとは、ストレスに関する質問票(選択回答)に労働者が記入し、それを集計・分析することで、自分のストレスがどのような状態にあるのかを調べる簡単な検査です。ストレスチェックの対象は下記の通りです。

(1)対象となる事業場: 従業員50人以上の事業場(50人未満は努力義務)で、事業場単位で判断

(2)対象となる従業員: 以下1)、2)いずれの要件をも満たす労働者
 1)期間の定めのない労働契約により使用される労働者
 2)1週間の労働時間数が、当該事業場において同種の業務に従事する通常の労働者の4分の3以上である労働者

 平成27年12月1日の施行後、1年以内(平成28年11月30日まで)に、ストレスチェックを実施する必要があります(結果通知や面接指導の実施までは含みません)。また、ストレスチェックの実施者については、医師又は保健師だけでなく、厚生労働省令で定める者も含まれます。
  
●ストレスチェック実施のポイント

 ストレスチェック制度の実施手順は、

1)

導入前の準備(実施方法など社内ルールの策定)

2)

ストレスチェックの実施(質問票の配布・記入、ストレス状況の評価・医師の面接指導の要否の判定、結果の通知)

3)

ストレスの高い人への面接指導(本人からの面接指導の申出、医師による面接指導の実施、就業上の措置の要否等について医師から意見聴取、就業上の措置の実施)という流れになります。

 面接の結果に基づいて、医師の意見を勘案して必要があるときは、労働時間の短縮など必要な措置を実施する必要があります。また、面接指導の結果は事業所で5年間保存し、ストレスチェックと面接指導の実施状況は、毎年、労働基準監督署に所定の様式で報告する必要があります。

 ストレスチェック制度は、労働者の個人情報が適切に保護され、不正な目的で利用されないようにすることで、労働者も安心して受け、適切な対応や改善につなげられる仕組みです。ストレスチェックや面接指導で個人の情報を取り扱った者(実施者とその補助をする実施事務従事者)には、法律で守秘義務が課され、違反した場合は刑罰の対象となり、事業者が労働者に不利益な取扱いをすることも禁止されています。

ニュースアンテナ9月号 税研情報センター