今注目のアフリカビジネス
カテゴリ:03.ニュースアンテナ 
作成日:10/15/2013  提供元:税務研究会・税研情報センター



 最後の巨大市場としてアフリカは今、世界中の国々が投資を加速させています。


●アフリカ市場の現状




 かつて、民族紛争や貧困に悩まされていたサブサハラ・アフリカ(アフリカのサハラ砂漠より南にある地域の総称)は資源価格高騰を背景に急成長を遂げており、アジアに次ぐ成長の勢いで世界中の国々がアフリカへの投資を加速させています。実質GDP成長率の推移を見てみると、1990年代では年平均2.3%の成長であったものが、2000年代には年平均5.8%もの成長を遂げています。
 

 アフリカは急成長を遂げているだけでなく、2017年にかけて南アフリカは中国と、チュニジアはタイと同程度の一人当たりGDP水準に達すると予測されるように、既に東南アジア諸国と同程度の豊かな国が存在します。また、南部アフリカにはレアアースと呼ばれる資源が豊富であり、鉄道や発電所などインフラ整備における需要も旺盛です。近年では、資源やインフラに加えて、制御機器販売などのBtoBビジネスや、栄養剤や消毒剤などのBOP(Base of the Economic Pyramid)ビジネスなど、日本からも新しい分野での進出が目立つようになりました。

 今後アフリカは中間層が大幅に増加することが予想されており、日本企業の拠点数が過去5年間で約2倍に増えるなど、アフリカは新たな投資先・消費市場として注目を集めています。


●今後のビジネス展開

 既にアフリカに進出した日系企業への実態調査(ジェトロ2012年8月~10月)で、半数以上の企業が「進出国内でのビジネス拡大、新規投資を予定・検討中」と回答し、約3割の企業が「アフリカ内の他国への進出を予定・検討中」と回答しました。今後注目される顧客層については、「中間層」が8割以上と最も多く、次いで「富裕層」、「女性」と続いています。

 中間層が急増し、新たな消費者層が現れたことによって、多くの企業にとってのビジネスチャンスが広がっています。また、豊かさが継続している中で、日本製品のように高くても品質やデザインが良く、ブランド力が高い製品が売れるようになってきており、さらに、アフリカの優秀な人材を活用して、現地ニーズに即した製品開発を進める動きも出ています。アフリカの人口は2030年には15.6億人、2050年には21.9億人まで増える見込みで、「ラストエマージングマーケット(最後の新興国市場)」と呼ばれる所以でしょう。

 一方で、貧困やインフラの未整備、所得格差などの深刻な問題を抱えている国もあり、アフリカでビジネスを行う際には、政治、経済、社会情勢などの情報収集が重要となるでしょう。

【ニュースアンテナ10月号 税研情報センター】