郵政新規事業 民営化委員会が審査開始
カテゴリ:01.週刊NP 
作成日:09/28/2012  提供元:エヌピー通信社



 郵政民営化委員会(委員長・西室泰三東芝相談役)は日本郵政グループから申請された新規事業の審査を開始した。日本郵政は「来年4月に住宅ローンや法人向け融資を開始予定」と申請しているが、金融業界の反発もあり、4月までに認可されるか微妙な情勢だ。

 ゆうちょ銀商品の申請は「リスク管理能力がないのでは」「民業圧迫だ」との批判が上がっている。

 日本郵政はこうした批判に住宅ローンは既にスルガ銀行商品を受託販売しており、リスク管理のノウハウはある。大手法人向け融資の場合、ゆうちょ銀の目標残高は17年度末で3500億円で、11年度末の民間金融機関の大手法人向け融資残高112兆円と比べて市場シェアは0.31%にとどまり、民業を圧迫しないと反論している。

 また、民営化委員会の審査結果が出ても、認可権限を持つのは総務省と金融庁で、民営化委員会の意見に基づき、新規業務認可の可否を最終判断する。

 金融庁は、ゆうちょ銀に貸し出しリスクを的確にコントロールできる内部管理体制が整っているかなどを慎重に見極める。他行から人材を引き抜いているが、ゆうちょ銀は融資・審査のノウハウに乏しいのが実情。利下げ競争の激化で住宅ローン市場の採算が悪化する中、甘い審査で焦げ付きが急増すれば経営不安を招きかねず、金融庁は既存の金融機関と同水準のリスク管理体制を求めるとともに、顧客を奪われる可能性がある地域金融機関の経営への影響なども考慮する。