景気動向指数、7カ月ぶり下落 自動車、電子部品の低調が影響
カテゴリ:01.週刊NP 
作成日:08/09/2013  提供元:エヌピー通信社



 安倍政権下で経済指標の改善が続く中、悪化した経済指標が現れた。6日に内閣府が発表した景気動向指数(2010年=100)の速報値で、景気の現状を示す一致指数が前月より0.8ポイント低下して105.2となり、7カ月ぶりに下降に転じた。6月の自動車や電子部品などの生産や出荷が低調だったのが影響した結果だが、内閣府は「景気の回復基調は変わっていない」として、「上方への局面変化」とする基調判断は据え置いた。

 一致指数を構成する11の項目のうち6項目が前月より悪化した。特に、自動車を中心とする輸送機械や電子部品で生産や出荷が減り、時間外労働時間も減少したことが一致指数を押し下げる決め手になった。一方で、有効求人倍率が改善し、大口電力使用量が増えたことがプラスに寄与した。

 内閣府は「自動車は例年、3の倍数の月は生産や出荷が強めに出る。今回は他の月と同じ水準だったが、季節調整で弱められた面もある。7月はすでに改善しており、景気の回復基調に変わりはない」と説明している。

 半年ほど先の景気を示す先行指数は前月比3.7ポイント下降の107.0と、7カ月ぶりに悪化。6月に日経平均株価が急落した影響が大きく、1985年の調査開始以降で5番目の下げ幅となった。

 安倍晋三首相は9月9日に公表される4~6月の国内総生産(GDP)の改定値を踏まえ、来春の消費税増税の最終判断を下すことにしている。そのため、今夏の各経済指標の動向に注目が集まっている。景気動向指数の悪化は一時的なものにとどまる見込みで、消費税増税の判断に影響を与えることはなさそうだ。