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税務調査は赤字会社も標的
カテゴリ:01.週刊NP
作成日:09/10/2010 提供元:エヌピー通信社
税務調査のシーズン到来だ。会社が赤字だからといって「税務調査なんて来ない」と思っていたら大間違い。中小企業の7割が赤字というなか、税務当局は赤字法人も厳しく見ている。
調査先としてまず調査官に選定されやすいのが、前期は黒字なのに今期になって赤字に転落した会社だ。特にその赤字幅がわずかだと、利益操作をしているのではなかろうか、と疑いを持たれてしまう。
売上のごまかしは利益操作においてよくある手段。売上計上漏れ、売上計上の時期などは必ずチェックされるポイントだ。社員ではなく社長自らが独断で売上除外を実行しているケースも多く、調査官の売上まわりは警戒している。売上が急に激減しているときにはその理由を徹底的に追求してくるはずだ。
多額の貸倒損失計上がある場合はさらに厳しく追及される。貸倒れの損失計上のタイミングが、いかにも黒字が出たタイミングに合わせているようだと、否認されるケースがある。
社長を中心とした役員給与まわりは、赤字や黒字関係なしに、税務調査の大きな山場だ。
一定要件を満たせば損金算入できる「定期同額給与」のかたちを採っていて、支給額を改定した場合、支給時期や支給基準が適正かが問題になる。株主総会議事録や役員給与規程の整備が必要となる。
定期同額給与の支給を資金繰りの都合などで支払うことができず、未払処理しているケースがある。定期同額給与の一時的な未払い自体はそれほど問題ではない。未払いにしたからといってすぐに全額が損金不算入、とはならない。しかし、未払の状態が長く続いてしまうと、実質的には期中減額と変わりなくなる。役員給与を未払処理したなら、その理由、未払い給与の清算時期などを書面で示しておいたほうがいいだろう。
また、社長の家族が役員になっているときは、家族役員の勤務状況と仕事内容がチェックされる。家族役員への給与額が適正だと主張できるようにしておきたい。
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