経済財政諮問会議 国家公務員の配偶者手当見直しへ
カテゴリ:01.週刊NP 
作成日:10/24/2014  提供元:エヌピー通信社



 政府の経済財政諮問会議が10月21日、首相官邸で開かれた。女性の就労拡大に向けた税・社会保障制度や「配偶者手当」の見直しがテーマで、安倍晋三首相は一宮なほみ人事院総裁に対し「国家公務員の配偶者制度の検討を行っていただきたい」と指示。専業主婦世帯を支援するため企業などが独自に支給している配偶者手当の見直しに向け、まず国家公務員から改革に着手する意向を明らかにした。

 会議では、伊藤元重・東大大学院教授ら民間議員4人が女性の就労を後押しする改革案を提示。配偶者手当については、妻の年収が130万円以下の国家公務員に一律1万3千円を支給している現行制度を見直し、年収に応じて支給額を増減する仕組みの導入などを来年度の人事院勧告で行うよう求めた。

 民間企業が独自に支給している配偶者手当についても、政府、経済界、労働界の代表者による「政労使会議」で見直しを議論するよう促した。

 さらに、現行制度では、妻の年収が130万円以上になると夫の「被扶養者」から外れ、妻自身が社会保険料を納める必要が出てくるが、民間議員はこれが女性の就労を抑制する「壁」になっていると指摘。妻の年収が130万円未満でも、所得に応じて保険料の負担を求め、壁を解消することを提起した。

 民間議員の一人は会議の中で「年内にも何らかの結論が出ることが望ましい」と早期に改革の成果を出すよう主張。首相も改めて「女性の就労拡大を抑制する効果のある仕組み、慣行(の見直し)は、関係大臣が協力し、検討してほしい」と語った。

 ただ、民間議員の提案に沿った場合、配偶者手当、社会保険料負担の双方とも一部世帯では負担増となる可能性があり、見直しの具体化までには曲折がありそうだ。