火災保険 保険料全国で2~4%値上げ 九州・沖縄では3割アップも
カテゴリ:01.週刊NP 
作成日:07/24/2015  提供元:エヌピー通信社



 火災保険の保険料が10月から値上げされることになった。損保ジャパン日本興亜や東京海上日動火災など大手各社は全国平均で約2~4%引き上げる。地球温暖化などで台風などの自然災害が増加して、保険金の支払いが増えているため。同時に、自然災害の発生を長期間にわたって予測が困難になったことを受け、契約期間が10年超の火災保険の販売もやめる。

 損害保険各社でつくる損害保険料率算出機構は昨年7月、火災保険の保険料の目安となる「参考純率」を全国平均で3・5%引き上げていた。今回の値上げはこの引き上げを反映させたもので、2007年4月以来8年半ぶりの大規模改定となる。保険料は居住する都道府県や建物の構造によって違い、台風などが多い九州の一部や沖縄では値上げ幅は約3割に及ぶ。

 自然災害の増加に伴い、09、10年度に約900億円だった保険金支払額は11年度に約1450億円、12年度に約1600億円まで増えた。新規の長期契約をやめるのは今後の支払額も予断を許さないため。長期契約は新築住宅の購入でローンを組んだ人にニーズがあり、現在は最長36年まで契約できて期間が長いほど保険料は割安になる。10年以内の契約に制限されることで、消費者には値上げとともにダブルパンチとなる。

 火災保険は火災だけでなく風水害による被害なども幅広く補償する商品だが、地震や津波による被害は地震保険にも併せて加入しないと補償されない。地震保険料も昨年7月に全国平均で15・5%値上げされ、さらに17年から段階的に19%値上げされる見通しだ。自然災害から住宅を守るコストは増すばかりで、保険各社は新築物件などを対象にした割引なども検討している。