自民税調 設備投資減税の議論開始 消費増税に向け環境整備着々
カテゴリ:01.週刊NP 
作成日:08/02/2013  提供元:エヌピー通信社



 自民党税制調査会は7月24日、党本部で参院選後初の幹部会を開き、政府の成長戦略で打ち出した設備投資減税の議論をスタートした。7月30日には正副会長らによる幹部会合を開いた。お盆休み明けの8月末から本格的な議論を始め、9月中には結論を出す方向だ。野田毅税調会長は「投資を促進して内需を拡大させるために、税以外の規制など環境整備をしないといけない」と述べた。安倍晋三首相は来年4月に予定する消費税率引き上げについて、秋に最終判断することを表明しており、実効性のある成長戦略で景気回復を確実にし、増税に向けた環境整備をする狙いがある。

 自民党税調は、例年は11月ごろから議論をスタートし、12月前半には来年度の税制改正大綱という形でまとめる。政府が6月にまとめた成長戦略の最初の案では「減税」に触れていなかったことで、市場に失望が広がり株安などを招いたことから、最終的には「投資減税」が盛り込まれ、党税調で具体案をまとめることになった。

 投資減税で現在、検討されているのが、設備投資した最初の年にすべて経費として計上する「即時償却」だ。最終的に納める法人税額は、分割して経費として計上した場合と基本的には同じだが、初年度の法人税を安く抑えることができて、手元にお金を残すことができる。また、投資減税とともに、企業が持つ設備の省エネ性能や耐震性などに一定の基準を設けて、設備投資を促す政策も併せて検討している。

 投資減税は、安倍首相の消費税引き上げの決断を後押しするためのものだ。菅義偉官房長官は記者会見で、「基本的には国会で色々な質問があるだろうから、その(国会)前に判断されるのではないか」と述べ、首相が10月中旬と想定される臨時国会の開会前に決断するとの見通しを示している。