自動車重量税、再び道路特定財源に? 「古い自民党」の象徴復活に党内若手は猛反発
カテゴリ:01.週刊NP 
作成日:02/08/2013  提供元:エヌピー通信社



 2013年度税制改正大綱で最大の焦点となった自動車重量税は、再び道路特定財源に戻すと受け取れる記述を盛り込むことで決着した。ただ、この表現には党内から「改革の逆行だ」などと批判が噴出。今後、国会で野党から追及を受けることになりそうだ。

 税制改正では、消費増税による自動車販売の落ち込みを避けるため、自動車取得税と自動車重量税の廃止を自動車業界が要望。大綱では取得税の15年10月の廃止を明記し、重量税は「道路の維持管理・更新などのための財源と位置づける」とした。

 地方税である取得税廃止と地方にも回る重量税が廃止されれば、地方の財源は大幅に縮小されることになり、地方からの反発は必至だった。結局「取得税の15年10月の廃止」と重量税の課税根拠を明確に示すことで、自動車業界と地方自治体の双方に配慮する形で決着した。

 しかし、道路特定財源は「古い自民党」の公共事業無駄遣いの象徴とみられてきた。このため、党のイメージダウンになると懸念する中堅・若手議員から異論が噴出。大綱を最終決定する総務会で野田毅税調会長が「重量税を存続させる課税根拠を示したものだ」と発言してようやく決着した。

 とはいえ、党税調が党内の地方重視派や道路族の圧力に屈した印象はぬぐいきれない。伊吹文明元幹事長の衆院議長への転出など、「軽量級の税調幹部が党を抑えられるか」(党幹部)との懸念が党内にはあり、それが的中した格好だ。