JR東海のリニア用地 不動産取得税、登録免許税 計184億円を免除
カテゴリ:01.週刊NP 
作成日:12/20/2013  提供元:エヌピー通信社



 2014年度の与党税制改正大綱では、JR東海が2027年に品川-名古屋間で開業を目指すリニア中央新幹線について、建設用地取得に関する不動産取得税と登録免許税を免除することが盛り込まれた。独立行政法人が建設している北陸や九州の整備新幹線建設では両税が免除されている。民間の一企業に税の優遇措置を行うことの是非については議論があったものの、国が推進したリニア事業であることからJR東海にも適用する方針となった。リニアは路線の大部分が山間部や地下を通るトンネルとなるため、免税の主な対象は地上駅などの用地取得となる。両税の免税額は約184億円になる。

 リニア中央新幹線は14年度から建設が開始される見込みで、総工費は2027年開業予定の東京-名古屋間で5兆4300億円。2045年に開業予定の東京-大阪間で9兆300億円を想定している。完成すれば東京-名古屋間を40分、東京-大阪間を67分で結ぶ。

 JR東海の葛西敬之会長が首相官邸を訪問して、菅義偉官房長官に不動産取得税と登録免許税を免除するように要請していた。自民党税制調査会でも東海地方選出の議員を中心に多くの出席者から「リニア事業は国策として研究開発を進めた」「国土強靱化の観点からも重要だ」など、免税を求める意見が相次いだ。不動産取得税(地方税)が約150億円、登録免許税(国税)で約30億円にのぼる。名古屋と大阪の間のルートはまだ確定していないため、その間の税金額は試算できていない。地方自治体の税収が減るなど課題があるものの、リニアが開業することにより、沿線地域の振興につながるなど経済効果が大きいと判断した。